色内仮乗降場

色内仮乗降場

色内仮乗降場は、かつて北海道小樽市色内町に存在した、日本国有鉄道（国鉄）手宮線の仮乗降場（廃駅）です。

歴史

その歴史は、1912年（大正元年）8月6日に色内仮停車場として開業したことから始まります。当初は必要な時のみ営業する臨時駅として、旅客のみを取り扱っていました。

しかし、1914年（大正3年）12月1日には一度閉鎖（休止）されます。その後、1920年（大正9年）6月1日に再開し、再び旅客のみを扱う駅となりました。

1943年（昭和18年）には色内駅へと昇格しますが、同年10月1日には再び休止。1948年（昭和23年）11月10日には、駅としての役割を終え、廃止となります。

1949年（昭和24年）6月1日、国鉄法施行に伴い手宮線が国鉄に継承された後、同年9月1日に色内仮乗降場として再出発。しかし、1962年（昭和37年）5月15日、手宮線の旅客営業廃止に伴い、色内仮乗降場もその歴史に幕を閉じました。

駅名の由来

駅名の由来は、この地域の地区名「色内」から来ています。「色内」はアイヌ語の「イルエ=ナイ」（澄んでいない川）の音に漢字を当てたもの、または「イルウエ=ナイ」（熊道の沢）という説があります。

利用状況

最盛期であった1958年（昭和33年）度の利用状況は、乗客が79,179人、降客が102,948人でした。

現状

現在、小樽市は2001（平成13）年度に手宮線の敷地の一部をJR北海道から購入し、オープンスペースとして整備しています。色内仮乗降場の跡地には、隣接する市立小樽文学館・小樽美術館の再整備事業の一環として、2011年（平成23年）に当時の駅舎を模した休憩所が建てられています。

隣の駅

廃止時点での隣の駅は以下の通りでした。

日本国有鉄道
手宮線
南小樽駅 - 色内仮乗降場 - 手宮駅

備考

興味深い点として、色内仮乗降場は太平洋戦争後に仮乗降場であったと記録されていますが、国鉄の規則上、仮乗降場や臨時駅には入場券が存在しないにもかかわらず、昭和30年代には入場券が発売されていました。その券面には臨時駅を示す「（臨）」の文字が印刷されていましたが、なぜ規則にない入場券が発売されていたのか、なぜ「（臨）」の文字が印刷されていたのかは定かではありません。

また、1910年（明治43年）頃から1943年（昭和18年）までの間、手宮線は複線であり、1928年（昭和3年）の線路一覧略図には、千鳥状にずれた相対式ホーム2面が描かれていました。その後、1932年（昭和7年）の線路一覧略図では、片方のホームが消え、駅舎が設けられています。駅の位置は、現在の日本銀行小樽支店（現・金融資料館）の横あたりでした。

1948年（昭和23年）の航空写真では、ホームと駅舎の位置が確認できます。1961年（昭和36年）の航空写真では、駅舎が短縮され位置が移動し、ホームが拡張されている様子が確認できます。2011年（平成23年）に設置された休憩施設は、仮乗降場時代の駅舎の位置とほぼ同じですが、ホームに対して正対していない点が異なります。

色内仮乗降場は、短い期間ではありましたが、地域の足として、また人々の記憶に残る駅として、その役割を果たしました。

関連項目

日本の鉄道駅一覧
* 廃駅

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