芦屋カメラクラブ

芦屋カメラクラブについて

芦屋カメラクラブ（あしやカメラクラブ）は、1930年に中山岩太の中心となる形で結成された、著名な写真家の集まりです。この団体は、日本の写真界において重要な位置を占めており、多くの芸術的な作品を生み出してきました。当初の主要メンバーには、中山岩太のほか、ハナヤ勘兵衛（桑田和雄）、松原重三、高麗清治（高清、田中一、小松三郎、佐伯良）、紅谷吉之助、山川健一郎、橋本好文（橋本恭典）、三浦義次、中岡健治、花和銀吾などが名を連ねていました。クラブは1942年まで活動を続けましたが、その影響は現在まで続いています。

結成の背景

中山岩太は1927年に渡米・渡欧し、その後日本に帰国しました。帰国からの3年間には、芦屋市内やその周辺でメンバーを集め、ついにクラブの結成にこぎつけました。この時期の作品は新興写真を代表するものであり、フォトグラムやフォトモンタージュといった技法が多用されました。また、多重露光やクローズアップなど、実験的な手法を駆使し、シュルレアリスムに影響を受けた前衛的な作品が特徴です。

作品の発表と影響

中山が雑誌『光画』の同人であったため、クラブメンバーの作品はこの雑誌にも頻繁に掲載されていました。これにより、彼らの作品は広く知られることとなり、日本における新興写真運動の一翼を担いました。また、第二次世界大戦後も中山やハナヤなどのメンバーは写真撮影を続け、現在では芦屋市にある株式会社ハナヤ勘兵衛で活動を行っています。彼らは新たなメンバーを迎え、年に2回の写真展などを通じて、伝統と革新を融合させた活動を継続しています。2020年には創立90周年を迎え、日本を代表する老舗の写真クラブとして、写真文化の普及に貢献しています。

展覧会と文献

芦屋カメラクラブに関する展覧会として、1998年に開催された「芦屋カメラクラブ 1930-1942」があります。この展覧会は芦屋市立美術博物館で行われ、そのカタログはクラブにまつわる重要な文献となっています。また、雑誌『光画』関連の文献には、メンバーの作品を見ることができる資料も豊富に存在しています。特に、飯沢耕太郎による『写真に帰れ―「光画」の時代』や、『光画傑作集（日本写真史の至宝）』は、多くの研究者や愛好者にとって貴重な資料とされています。

創立90周年を記念した写真集も発行されており、これにより今後の活動のカタチを示すものとなっています。芦屋カメラクラブは、ただ過去の名作を残すだけでなく、未来の写真芸術を見据え、進化し続けるクラブとして注目されています。

まとめ

芦屋カメラクラブは、日本の写真史における重要な存在であり、今なお多くのクリエイターたちに影響を及ぼしています。彼らの活動は、当時の前衛的なアートの精神だけでなく、現代の写真表現においても価値ある貢献を続けています。

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