芦森工業

芦森工業株式会社

芦森工業株式会社は、大阪府摂津市に本社を構える、産業用資材の製造を主な事業とする企業です。消防車や消火栓用の放水ホース、自動車用のシートベルトやエアバッグなど、人々の安全に関わる重要な製品を幅広く手がけています。

事業概要

芦森工業は、合成繊維を基盤としたロープやベルトの製造に強みを持っています。主な製品には以下のものがあります。

消防・防災用品: 消防車や消火栓で使用される放水ホースは、同社の重要な製品の一つです。耐久性と信頼性が求められる製品であり、長年の経験と技術が活かされています。
自動車用安全部品: 自動車の安全性能を支えるシートベルトやエアバッグは、同社の主力製品です。チャイルドシート用のシートベルトやトノカバー、サンシェードなども製造しており、自動車の安全と快適性に貢献しています。
産業用資材: 漁業や船舶用のロープ、産業用安全帯など、幅広い分野で利用される資材を製造しています。これらの製品は、過酷な環境下での使用に耐えうる高い耐久性と信頼性が求められます。

歴史

芦森工業は、1878年（明治11年）に創業し、140年以上の歴史を持つ老舗企業です。創業当初は製綱所として事業を開始し、1935年（昭和10年）に株式会社化されました。その後、1944年（昭和19年）に現在の芦森工業株式会社に社名を変更しました。

1950年（昭和25年）には大阪証券取引所に上場し、1953年（昭和28年）には合成繊維ロープの製造を開始しました。自動車産業の発展とともに、1962年（昭和37年）には自動車用シートベルトの製造を開始し、1989年（平成元年）にはエアバッグの製造にも進出しました。また、1990年には事業本部制に改組し、山口県防府市に防府工場を設立するなど、事業拡大を進めてきました。

近年では、海外展開も積極的に行っており、タイ、中国、インド、韓国、メキシコなどに現地法人を設立しています。2013年（平成25年）には、筆頭株主が日本毛織に変更となり、2023年（令和5年）には東京証券取引所スタンダード市場へ市場変更するなど、変革を続けています。

技術開発

芦森工業は、技術開発にも積極的に取り組んでいます。特に、シート造管工法「パルテムSZ」の開発や、その改良版である「パルテムHL工法」は、全国発明表彰で特別賞を受賞するなど、高い評価を得ています。これらの技術は、下水道管などの補修に利用され、インフラ整備に貢献しています。

関連会社

芦森工業は、国内外に多数の関連会社を有しています。国内では、芦森工業山口株式会社、芦森エンジニアリング株式会社、オールセーフ株式会社などが、海外では、アシモリ・タイランド、アシモリ・インディア、アシモリ・コリアなどが主要な関連会社です。

今後の展望

芦森工業は、長年の経験と技術力を活かし、グローバル市場での更なる成長を目指しています。自動車産業の電動化や自動運転化といった変革期において、安全・安心な製品を提供することで、社会に貢献していくことを目指しています。また、豊田合成との資本業務提携を通じて、更なる技術開発や事業拡大を推進していくことが期待されます。

その他

株式: かつては東洋紡が筆頭株主でしたが、2013年（平成25年）に日本毛織が筆頭株主となりました。
認証: ISO/TS16949やISO 14001などの認証を取得しており、品質管理や環境保全にも力を入れています。
市場: 2023年（令和5年）に東京証券取引所スタンダード市場に市場変更しました。

芦森工業は、創業から140年以上の歴史を持つ老舗企業でありながら、常に技術革新に挑戦し続ける企業です。これからも、人々の安全と快適な生活を支える製品を提供していくことが期待されます。

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