花つみ日記

『花つみ日記』

『花つみ日記』は、吉屋信子の原作を基にした1939年の日本映画であり、舞台は大阪の宗右衛門町です。この映画では、花街の置屋に生まれた娘・篠原栄子（演：高峰秀子）と、東京から転校生としてやってきた佐田みつる（演：清水美佐子）との間に育まれる友情が描かれています。

あらすじ

物語は、篠原栄子が通う女学校に新しく転校生がやってきたところから始まります。佐田みつるは東京からの転校生で、両者はすぐに打ち解けて親友になります。しかし、彼女たちの友情は、憧れの梶山先生（演：葦原邦子）を巡る争いによって揺らぎます。

次第に栄子は、学校を辞めて舞妓として生きていく道を選ぶことになります。折しも、栄子は梶山先生を通じてみつるの兄が招集されたとの知らせを耳にします。この出来事が、栄子に新たな決意をもたらすこととなります。

彼女は、病気を押して街に出て、千人針の刺繍を道行く人たちに頼む様子が描かれています。これは、みつるの兄を思い、彼を支えようとする行動であり、友情の深さを物語っています。

キャスト

• - 篠原栄子: 高峰秀子
• - 梶山先生: 葦原邦子
• - 佐田みつる: 清水美佐子
• - 御舟京子（のちに加藤治子、本作が映画デビュー作）
• - 三條利喜江

スタッフ

• - 製作: 青柳信雄
• - 監督: 石田民三
• - 脚本: 鈴木紀子
• - 原作: 吉屋信子『天国と舞妓』
• - 撮影: 山崎一雄
• - 音楽: 鈴木静一
• - 美術: 河東安英
• - 録音: 俣野八男

ロケ地

この映画は、大阪のさまざまな場所で撮影されました。特に、戦前の大阪の景観が映し出されており、当時の町並みや建物が貴重な資料として残されています。主なロケ地には、以下のような場所があります。

• - ウヰルミナ女学校（現在の大阪女学院）
• - 玉造カトリック教会
• - 富田屋（栄子の家）
• - 生國魂神社の北側参道（石段のある道）
• - 桜宮橋（銀橋）から大阪城を望む
• - 西信貴ケーブル
• - 道頓堀の戎橋

このように、『花つみ日記』は、友情が試練に直面しながらも、しっかりと成長していく様子を描いた作品です。

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