花の兄弟

『花の兄弟』の概要

『花の兄弟』は、1961年12月15日にビクターからリリースされた橋幸夫の16枚目のシングルであり、同名映画の主題歌でもあります。この楽曲の作詞を手がけたのは佐伯孝夫、作曲を担当したのは吉田正という、橋の恩師によるコンビです。これにより、楽曲には特別な意義が込められています。

背景

橋はデビュー作『潮来笠』以降、さまざまな楽曲で三味線の伴奏に触れ、その経験を活かしながら、多くの名曲を生み出してきました。本作に先駆けて、橋は三枚目のシングルである「おけさ唄えば」を映画化した際に市川雷蔵と共演しました。後に雷蔵が主演する映画「沓掛時次郎」でも作品をリリースし、劇中には再度歌唱シーンが存在しました。

『花の兄弟』は、雷蔵との再共演が決まった段階で、歌と映画の両方が同時進行で企画されました。映画自体は、シングルの発売から12日後の1961年12月27日に公開され、正月映画として話題になりました。

音楽的特徴

このシングルには、表題曲「花の兄弟」とカップリングの「兄弟鴉」が収録されています。両曲とも、三味線の伴奏に静子と豊寿が参加し、彼らは橋の楽曲において長い付き合いがあるアーティストです。以前からの共演歴がある静子は「潮来笠」以来、豊寿は「すっとび仁義」以来の参加となりました。

収録アルバム

本楽曲は初期のLP盤に収録されていますが、近年のCD盤では収録されていないことが特徴です。以下のCD-BOX商品には、必ずしも含まれないものの、1973年にリリースされた「橋幸夫大全集」や、2011年の「橋幸夫のすべて」などに収載されています。

映画『花の兄弟』

この楽曲は、映画『花の兄弟』の物語と切り離せない緊密な関係にあります。同映画は1961年12月27日に大映京都によって公開され、カラー・大映スコープ・86分の作品です。監督は池広一夫が務め、脚本は笠原良三が担当しました。内容は、父の仇を討つために旅をしている市之進（市川雷蔵）と弟新次郎（橋幸夫）の痛快な娯楽時代劇です。

劇中では、雷蔵が橋を京都の花柳界に案内する場面もあり、二人は非常に親密な関係でした。また、映画の成立過程には、映画の舞台に向けた様々な工夫が凝らされていました。

スタッフとキャスト

映画制作には多彩なスタッフが関与しており、音楽はもちろん吉田正が手掛けています。他には、撮影の本田平三、美術の加藤茂、照明の伊藤貞一などが参加しています。出演者には、雷蔵の他に姿美千子や水谷良重、茶川一郎など多くの俳優が名を連ねています。

出演者

• - 青山市之進 - 八代目市川雷蔵
• - 青山新次郎 - 橋幸夫
• - お美津 - 姿美千子
• - お玉 - 水谷良重
• - その他多くのキャストが参加

この映画は、2010年10月22日にはDVD化され、一連の作品として後世に残ることとなりました。

同時上映

同日には、長谷川公之脚本、田中重雄監督作品『若い奴らの階段』も上映され、ビクター関連の映画イベントを彩りました。

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