花の業平 -忍ぶの乱れ-

作品概要

『花の業平』-忍ぶの乱れ-は、宝塚歌劇団の星組による壮大なミュージカル作品で、平安時代をテーマにしています。この作品は、雅やかな貴公子・在原業平と、彼の恋人であり政敵の娘・藤原高子との禁断の恋を描いたもので、観客を幻想的な王朝の世界へ誘います。

制作と公演

この作品は、柴田侑宏による脚本と尾上菊之丞の演出・振付により生み出されました。ミュージカルとしては17場から構成されており、観客を飽きさせない展開が特徴です。公演は、2001年の1月から2月にかけて宝塚大劇場で、11月から12月にかけて東京宝塚劇場で行われ、続いて2002年には中日劇場でも上演されました。

登場人物とストーリー

物語は、平安時代の京の都を舞台に展開されます。在原業平は、優れた歌才と武勇を持った貴公子として描かれていますが、彼の出世の可能性は、藤原氏の圧倒的な権勢によって閉ざされています。そんな中、業平は藤原良房が今上帝に嫁がせようとしている藤原高子と花の宴で運命的に出会い、互いに強く惹かれ合います。しかし、彼らの恋は容易には成就しません。業平は彼女との愛を求めて奮闘しつつも、襲い来る運命や陰謀に翻弄されていきます。物語を通じて描かれる、この二人の愛の行く末は、観客に深い感動を与えることでしょう。

音楽とスタッフ

音楽面では、吉田優子が全曲を担当し、舞台に華麗な音楽が彩りを添えています。演出・振付の尾上菊之丞をはじめとするスタッフ陣も力を尽くしており、豪華な装置や衣装、照明、音響が一体となって、観客に夢の世界を堪能させています。

特別出演と新人公演

本公演では、非常に豪華なキャストが集結しました。特別出演として珠玉のパフォーマンスを披露した鈴鹿照や香寿たつき、初風緑らが名のある役者として存在感を放ちました。また、新人公演も行われており、若い才能たちがステージに立つ機会も与えられました。

メディア展開

『花の業平』の公演は、VHS版としてリリースされるなど、映像作品としても多くのファンに親しまれています。また、宝塚歌劇専門のCS局では独自収録された映像も放送され、多くの視聴者に感動を与えてきました。

備考と背景

元々、音楽は別の作曲家によって手がけられる予定でしたが、その作曲家が不幸にも早逝したため、吉田優子に白羽の矢が立ちました。彼女はその期待に応えるべく、全曲を新たに生み出しました。その結果、才能あふれる音楽が作品に命を吹き込み、平安貴族の世界を生き生きと描き出しました。

『花の業平 -忍ぶの乱れ-』は、観る者に古の時代への旅をさせ、素晴らしい物語と音楽によって心に残る興奮を提供する作品です。

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