藤原高子

藤原 高子について

藤原高子（ふじわら の こうし/たかいこ、842年 - 910年）は、平安時代の重要な女性であり、清和天皇の女御として知られています。彼女の父は藤原長良、母は贈正一位大夫人藤原乙春で、藤原基経の同母妹です。また、通称は二条后とされています。高子には陽成天皇、貞保親王、敦子内親王という3人の子供がいます。

幼少期と入内の経緯

高子は清和天皇が東宮であったころ、皇太后藤原順子の邸宅で出仕していました。貞観元年に清和天皇が9歳で即位した際に、大嘗祭で五節舞姫を務め、その功により従五位下に叙されました。清和天皇の元服から2年後の貞観8年に、高子は25歳で入内し、女御となります。このように五節舞姫としての役割を果たすことは、后妃の候補としての地位を得るための重要なステップでしたが、この時点では実の父である長良は既に亡くなっており、養父の藤原良房が高子を養女として引き取った可能性があります。

皇后としての地位

貞観10年12月16日に貞明親王（後の陽成天皇）を出産した後、高子は貞観11年には従四位下、貞観13年には従三位に叙されました。陽成天皇の即位に伴い、元慶元年には皇太夫人として中宮職が与えられ、さらに元慶5年に従一位、元慶6年には皇太后の称号を受けました。しかし、彼女の地位と権力を巡って、同母兄の藤原基経や異母姉の藤原淑子との間には摩擦が生じていました。

政治的な緊張

高子と基経の関係は緊張を孕んでいました。特に、基経が高子を軽視する行動を取り続けた結果、皇后である高子とその子供たちが排除される運命に至りました。清和天皇は多くの女性と関係を持ったため、高子は嫉妬と不安を抱いていたと見られています。しかし、元慶8年に陽成天皇が退位した際、高子の子である貞保親王は次の天皇として選ばれず、新たに時康親王が選ばれました。

高子の晩年と復位

寛平8年、宇多天皇の時代には、彼女が建立した東光寺の座主と密通していたとされ、その結果、皇太后の地位を剥奪されることとなりました。しかし、彼女の没後、天慶6年に朱雀天皇の詔によって復位されることとなります。

恋愛の噂と文学への影響

高子の入内前には、在原業平との恋愛関係があったとされており、このことが入内の遅れに影響を与えたのではないかとも言われています。そのため、彼女の存在は『伊勢物語』や『大和物語』といった文学作品にも影響を与えています。また、『古今和歌集』にも高子の歌が一首収められています。

高子の生涯は、権力闘争や恋愛が絡み合う複雑なものであり、平安時代の女性の地位や役割を理解するためには重要な存在です。

もう一度検索