花房山 (岐阜県)

花房山（はなぶさやま）

花房山は、岐阜県揖斐郡揖斐川町に位置する標高1,189mの山です。両白[[山地]]の南部に属し、越美山地の一部を形成しています。濃尾平野から北西に小津三山の山並みを望むことができ、その中央に位置する最高峰として知られています。この山は、岐阜県が選定した「ぎふ百山」の一つにも数えられています。

自然と植生

花房山の山腹は、ミズナラなどの落葉広葉樹林と、スギやヒノキなどの人工林が混在しています。この地域は岐阜県内でも降水量が多いことで知られており、冬には山頂付近が雪で覆われることもあります。山麓では、シイタケやゼンマイといった特産品が栽培されており、地域の産業を支えています。

歴史と周辺

花房山の周辺地域は、「尾蔵谷休猟区」として指定されており、自然保護の観点からも重要な場所となっています。かつて南麓には花房鉱山があり、マンガンを産出していました。しかし、現在は閉山されており、その跡地が残っています。また、南西山麓の揖斐川町東杉原は廃村となりましたが、その西隣の揖斐川町鶴見には、藤橋城と西美濃天文台があり、観光スポットとなっています。

登山道

花房山への登山道は、主に2つのルートが利用されています。一つは、北西山麓の廃村となった東杉原からのルートで、標高706m地点を経由し、痩せ尾根を登るコースです。このルートでは、登山道脇にイワウチワの群落が見られ、春には美しい花を楽しむことができます。もう一つは、南山腹のモレ谷林道から小津権現[[山]]との鞍部を経て、標高1,096m地点を通る尾根伝いのルートです。このルートは比較的整備されており、多くの登山者に利用されています。また、モレ谷林道の終点付近から、山頂方面へ南東方向に伸びる尾根をたどることもできますが、こちらは藪が深く、踏み跡を頼りに進む必要があります。

かつては小津権現[[山]]と花房山の間の稜線は藪に覆われ、歩行困難でしたが、2012年頃に藪が刈り払われたことで、縦走が可能になりました。これにより、登山ルートのバリエーションが増え、より多くの登山者が花房山を楽しむことができるようになりました。花房山の登山適期は、春と秋です。新緑は5月初旬頃、紅葉は10月下旬頃が見頃となります。夏期はヤマビルに注意が必要です。また、東海自然歩道が南山麓の揖斐川町小津を通っており、ハイキングも楽しめます。

花房山と雷倉の間の稜線は藪に覆われており、登山道はありません。奥美濃の多くの山と同様に、花房山もかつては登山道がなく、残雪で藪が抑えられる3月から4月頃が登山に適しているとされていました。

山頂からの眺めは素晴らしく、北側には徳山ダムを見下ろすことができます。また、能郷白山、白山、北アルプス、御嶽山などの山々を望むことができ、雄大な景色を満喫できます。

地理

花房山の西側は旧藤橋村、東側は旧久瀬村に位置していましたが、2005年に揖斐川町と合併し、全域が揖斐川町に属することになりました。山頂部では、三方向から伸びる尾根が合流しています。

周辺の山

花房山は、両白[[山地]]の西の主峰である能郷白山から南に延びる尾根上にあります。北東には雷倉、南西には小津権現[[山]]が位置しています。

源流の河川

花房山の西側には揖斐川が流れ、横山ダム（奥いび湖）の東北東7km、日本最大の貯水量を誇る徳山ダムの南南東6kmに位置しています。花房山は、伊勢湾に注ぐ揖斐川の支流の源流となる山であり、以下のような河川が花房山を源流としています。

尾蔵谷、東前の谷、矢中谷：揖斐川の支流
樽谷、オオハンバラ谷、モレ谷：小津川の支流。小津川の上流部にある高地谷には花房ノ滝があり、遊歩道が整備されていた。

交通・アクセス

花房山へのアクセスには、西山麓の揖斐川右岸沿いを通る国道417号や、南山麓の岐阜県道268号神原西津汲線が利用できます。周辺の山域には、モレ谷林道や高地谷林道などの林道が整備されています。公共交通機関を利用する場合は、樽見鉄道樽見線の神海駅や、養老鉄道養老線の揖斐駅が最寄りの駅となります。また、東海環状自動車道大垣西インターチェンジからもアクセス可能です。

花房山からの展望

花房山の山頂からは、周囲の山々や徳山ダムなどの景色を一望できます。天候に恵まれれば、遠くの山々まで見渡せる素晴らしい眺望が楽しめます。

その他の情報

花房山は、その美しい自然と登山ルートの多様性から、多くの登山愛好家に親しまれています。春の新緑や秋の紅葉シーズンには、特に多くの登山者が訪れます。花房山を訪れる際には、事前に登山ルートや装備、天候などを十分に確認し、安全な登山を心がけましょう。

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