芷江トン族自治県

芷江トン族自治県（しこう-トンぞく-じちけん）は、中華人民共和国湖南省懐化市に位置する自治県であり、その歴史は古く秦代にまで遡ります。この地域は、時代の流れの中で行政区分や名称を幾度となく変えてきました。

歴史

秦代には黔中郡に属し、漢代には潕陽県となりました。南北朝時代の梁朝には竜檦県が置かれ、唐代には巫州、後に沅州と改称されました。宋代には瀘陽県の管轄区域となり、1736年（清朝の乾隆元年）に芷江県が設置され、湖南布政使司の管轄となりました。この行政区分は、中華民国時代にも引き継がれました。

特筆すべきは、1945年（昭和20年）4月から5月にかけて、日本軍が同地を占領しようと芷江作戦を発動したことです。しかし、連合軍の激しい反撃に遭い、日本軍は撤退を余儀なくされました。この戦いは、第二次世界大戦における中国戦線の一つの重要な出来事として記録されています。

1986年9月、この地域は民族県として認可され、芷江トン族自治県が正式に成立しました。これにより、トン族の文化や伝統を尊重し、彼らの自治を保障する体制が確立されました。

行政区画

芷江トン族自治県は、以下の鎮と郷によって構成されています。

鎮:

芷江鎮
羅旧鎮
新店坪鎮
碧涌鎮
公坪鎮
岩橋鎮
三道坑鎮
土橋鎮
楠木坪鎮

郷:

牛牯坪郷
水寛郷
大樹坳郷
梨渓口郷
洞下場郷
禾梨坳郷
冷水渓郷
暁坪郷
蘿蔔田郷

これらの地域は、それぞれ独自の文化や風習を持ち、芷江トン族自治県の多様性を支えています。近年、観光開発も進められており、その美しい自然景観やトン族の伝統文化に触れることができます。歴史と文化、自然が融合した芷江トン族自治県は、訪れる人々に深い印象を与えるでしょう。

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