若大将天下ご免!

若大将天下ご免!

「若大将天下ご免!」は、1987年3月14日から12月26日までテレビ朝日系列で放送された土曜夜8時枠の時代劇ドラマです。この作品は、主演として橋爪淳がドラマ初主演に挑みました。放送当初より多くの視聴者に愛され、1989年には橋爪を座長として舞台公演も実施されました。

概要

本番組は、「暴れん坊将軍II」の後継として制作され、若手俳優である橋爪淳、円谷浩、橘田剛の売り出しも視野に入れていたとされています。内容は、多くの時代劇と同様に、善と悪の対立を描いたものです。主人公が出会った個々の人物が事件に巻き込まれ、最終的には悪徳商人や悪大名を成敗する様子が描かれる勧善懲悪のストーリーが特徴となっています。

主人公の結城小太郎は、将軍家に縁がある人物として描かれはしますが、権力の後ろ盾を持たない一剣士です。彼の義憤からくる行動が物語の中心となり、他者のために戦うその姿勢が、時代劇の中でも特に際立っています。顧みれば、この構成は『桃太郎侍』と共通点が多く見られます。

さらに、作品内には千葉周作や勝小吉（水野忠邦の父）、水野忠邦といった実在の歴史人物が登場し、さらにモリソン号事件などの歴史的事件も取り入れられています。背景となる時代は、一般的に幕末より少し前の時期と考えられ、明確に歴史的なコンテキストを持っています。

ストーリーのあらすじ

物語は、神田お玉が池にある北辰一刀流「玄武館」の師範代を務める結城小太郎を中心に展開されます。彼は剣術に優れていますが、心に未熟さが残る青年です。当時、老中の水野による改革が進行しており、それを阻む悪大名や悪徳商人が存在します。周りの人々が苦しむ中、小太郎はその状況に心を痛め、義憤に駆られます。

彼は自らの師である千葉周作に訴え、アドバイスを受けて行動に移り、白い杯を叩き割ることで敵地に乗り込む決意を固めます。物語のクライマックスでは、小太郎が悪人に立ち向かう場面が描かれ、彼が成敗する際に見つかる「誅・隅田の小天狗」といった紙片が象徴的な役割を果たします。

登場人物

「若大将天下ご免!」には、多彩なキャラクターが登場します。主要なキャストには、結城小太郎（橋爪淳）、お遊（片平なぎさ）、お駒（春川ますみ）、鉄五郎（龍虎）、浜田陣十郎（竹中直人）、沙織（森尾由美）、水野越前守忠邦（山村聡）、勝小吉（橘田剛）などが含まれています。これらのキャラクターは、物語をさらに豊かにし、視聴者の記憶に残る存在になりました。

各話のサブタイトル

このドラマには多くのエピソードがあり、各話に魅力的なサブタイトルがあります。例えば、「あっぱれ小天狗一本勝負!」や「紅かんざしに燃えた剣!」、「命の担保は千葉道場!」など、いずれも物語の重要なポイントを示唆しています。

制作スタッフ

制作には、多くの名スタッフが関わっており、脚本には杉本容子や今村文人、監督には林伸憲や松尾正武が名を連ねています。音楽は菊池俊輔が手掛け、オープニング曲『風はやさしく』が特に有名です。

この作品は、時代劇が持つ伝統的な要素を持ちながらも、主人公の成長や人間模様を描いたことで、多くの視聴者に感動を与えた作品となりました。

もう一度検索