若宮 (水上機母艦)

若宮（わかみや）

若宮は日本海軍における初代水上機母艦であり、また日本が第一次世界大戦中に航空作戦を実施した最初の船でもあります。艦名は長崎県の壱岐諸島にある若宮島に由来しています。1914年9月5日には青島の戦闘において、世界に先駆けて海上空襲を行い、この艦船の名声を高めました。この時期は第一次世界大戦が始まったばかりであり、若宮はその初期航空作戦の一端を担いました。

艦歴

若宮の前身は英国の貨物船レシントン（Lethington）で、1905年に日露戦争の影響で日本海軍に捕獲され、沖ノ島丸と名付けられました。その後1909年には若宮丸に改名され、日本海軍の輸送船として運用されました。1913年には水偵機を3機搭載しての演習を行い、その翌年には水上機母艦への改装が行われました。

改装後は、前部船倉に航空機格納所、後部船倉には兵員室が設けられ、甲板にはキャンパス製の天蓋が設置されるなど、簡易ながらも航空機の運用に適した施設が整いました。前後甲板にそれぞれ1機ずつ、格納所に2機を分解して搭載できる体制となり、航空機の発進は直接海上に下ろす形で実施されました。

日本は当時、日英同盟を結んでおり、第一次世界大戦の開戦とともにドイツに宣戦布告しました。若宮も青島攻略戦に参加し、ここで日本初の航空作戦を成功させました。そして1925年まで艦隊に在籍し、様々な航空戦力としての演習に参加しました。

1915年には二等海防艦に編成替えされ、艦名も若宮に改められました。1920年4月1日には新設された航空母艦に籍を移し、現実には水上機母艦としての運用が続けられました。1920年には仮設の滑走台を設け、陸上機の発艦実験も実施しました。その後、1925年まで艦隊に付属し、その後は佐世保にて警備艦として配属されましたが、1931年4月1日には除籍され、その後売却され解体されました。

乗員

若宮の乗員定員は時期によって変遷しました。1912年の運送船としては114名、1915年の二等海防艦としては138名、1916年には140名に増加しました。1920年には航空母艦としても140名で運用されていました。最終的に1931年には定員表が削除されることとなります。

年譜

若宮の歴史は1901年に始まり、英国で竣工後、1905年には日露戦争中に日本海軍に拿捕され、名を変えながら運用されました。1913年には水機搭載のテストを開始し、続いて1914年には改装を行ない青島攻略戦に参加しました。1915年以降は二等海防艦となり、1920年代の実験を経て最終的には艦隊における警備艦としての役割を果たしました。

艦長

若宮の艦長は数名が就任し、最初の艦長は野田啓太郎で1909年から艦長職にありました。続いての艦長は清水勵吾でした。その後も艦長は交代し、数名がその職に就きました。

このように、若宮は日本海軍において重要な役割を果たし、航空機運用の分野で先駆的な存在となった艦船でした。

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