若潮芳雄

若潮 芳雄（わかしお よしお）

神奈川県横浜市磯子区に生まれた若潮芳雄（本名：石渡芳雄、後に榊芳雄）は、陸奥部屋に籍を置いた大相撲力士です。1913年（大正2年）8月26日に生を受け、1991年（平成3年）2月25日に77歳でその生涯を終えました。

1931年（昭和6年）に陸奥部屋の門を叩き、同年3月場所で力士としての第一歩となる初土俵を踏みました。順調に番付を上げ、1937年（昭和12年）5月場所で新十両昇進を果たします。一度は幕下へ番付を下げた時期もありましたが、すぐに実力を発揮して十両に復帰し、1941年（昭和16年）5月場所で念願の新入幕を果たしました。

力士としては身長171cm、体重85kgと小柄な体格であったため、自身よりも体格に恵まれた大型力士との対戦では苦労することも少なくありませんでした。このため、最高位は東前頭6枚目（1948年5月場所）に留まりましたが、その小さな体格を逆手に取った独自の戦法で土俵を沸かせました。相手の懐深く潜り込む巧みな立ち合いから、左四つを基盤としつつ、掛け投げや頭捻り、さらには無双といった多彩な技能を駆使する「業師」として知られました。

幕内昇進後はその巧みな取り口で地位を維持し続け、一度も十両へ降格することなく、約8年にわたり、実に18場所もの間、幕内の地位を保ちました。この安定感は、小兵力士としては特筆すべき成績と言えるでしょう。

しかし、1949年（昭和24年）10月場所、幕内下位での途中休場が響き、翌場所の十両陥落が確実となったため、この場所を最後に土俵を去る決断をし、現役を引退、廃業しました。現役生活は通算40場所に及びました。

通算成績は204勝233敗7休で勝率は.467、幕内での成績は91勝128敗7休で勝率は.416でした。力士としては非常に珍しく、酒を嗜まなかったことでも知られています。

四股名は、入門当初は本名の石渡芳雄（いしわたり よしお）でしたが、1934年（昭和9年）5月場所より若潮芳雄（わかしお よしお）と改名し、廃業までこの四股名で土俵を務めました。

日本相撲協会が発行する星取表などに見られる成績は以下の通りです。

現役在位場所数：40場所
通算成績：204勝233敗7休
幕内在位場所数：18場所
幕内成績：91勝128敗7休

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