若鷹 (急設網艦)

軍艦「若鷹」について

若鷹（わかたか）は日本海軍に所属する敷設艦であり、初鷹型敷設艦の3番艦に位置付けられています。初鷹型の一部として1941年に竣工し、その名は「若い鷹」を意味します。彼女の主な任務は、主に輸送船団の護衛を担い、太平洋戦争時には数々の海域において活躍しました。特筆すべきは、戦後に復員輸送業務に従事し、賠償艦として引き渡されたことで、終戦時に解体もしくは海に沈められることなく、単独でその名を残した艦艇としても知られています。

艦型と基本設計の特徴

若鷹は、基本計画番号「H12b」に分類される艦で、初鷹型の基本設計とは若干の異同があります。具体的には、船体の寸法は共通するものの、船首楼甲板の延長や前後の檣（マスト）の傾斜に違いが見られます。また、兵装についても先行の艦艇が連装毘式四十粍機銃を搭載していたのに対し、若鷹では性能向上を図り、四十口径三年式八糎高角砲を搭載しました。さらに、掃海装備を有し、太平洋戦争中にはレーダーの増設や対空兵装の強化が行われました。

艦歴と運用

若鷹の起工は1940年11月で、1941年5月に正式に艦名が命名され、同年8月に進水されました。11月には竣工し、第二根拠地隊に配属されて、その後のフィリピン攻略戦や蘭印作戦に参加しました。特に1942年には、バタビヤ方面における船団護衛任務での活躍が記録されています。

1943年には、アンボンでの空襲で損傷を受けたものの、その後も艦は功績を重ねました。また、同年11月にはアメリカの潜水艦に対して攻撃を行い、敵艦を沈める成果を上げました。

1944年には、損傷を受けた用艦「厳島」を曳航中にオランダの潜水艦の攻撃を受け、若鷹も魚雷による被弾を経験しますが、不発に終わります。この際、修理は1945年までに完了しませんでした。終戦の際には、スラバヤにおいて修理中でしたが、状況の変化によりシンガポールへ移動、復員輸送業務が始まります。

戦後の運命

1947年にイギリスに引き渡された後、若鷹はHMMS Laburnumと改名され、宿泊艦として使用されました。その後、練習艦としてシンガプーラ（RSS Singapura）となり、1968年に除籍されるまで、様々な役割を果たすこととなります。この艦の歴史は、戦争の影響と海軍の変遷を物語る重要なものです。

歴代艦長

若鷹には多くの艦長が歴任しました。艤装員長の上田光治大佐から始まり、数名の艦長がそれぞれの使命を全うしました。特に、斎藤泰蔵大佐は戦争の多くの局面で指揮を執ったことで知られています。

同型艦

若鷹の同型艦には初鷹と蒼鷹が存在し、これらも共に日本海軍における敷設艦として活躍しました。

若鷹の艦歴は、他の艦艇とは異なる運命を辿り、今もなお多くの人々に記憶され続けています。

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