英語の文法

現代英語の文法

この項では、現代[英語]]の文法について解説します。特に、日本の義務教育や高校教育で用いられる伝統文法に基づいた構文記法を採用します。生成文法に基づく英文法の理論については、[英語学#統語論を参照してください。

文法的特徴

現代英語は、他の印欧諸語と比較して、以下のような文法的特徴を持っています。

名詞の性: 名詞に性はありません。限定詞の一部（a/an, these/those）が数によって変化するのみです。
動詞の変化: 動詞の変化は単純化されていますが、不規則動詞の数は比較的多いです。規則動詞の変化形は、過去時制の -ed、現在分詞・動名詞の -ing、三人称単数現在形の -(e)s のみです。不規則動詞では、現在形、過去形、過去分詞で語幹変化が見られます。
格変化: 名詞の格変化はほぼ消失しており、代名詞に残るのみです。語順が格関係を示す上で非常に重要な役割を持っています。
時間表現: 複雑な時間表現があります（時制の章を参照）。
助動詞 do: 否定文や疑問文で無内容の助動詞 do を用います。
主語: 形式主語文や無生物主語文が発達しています。
二人称: 単複・親疎の区別をせず you のみを使います。

品詞

名詞

英語の名詞には、可算名詞と不可算名詞の区別があります。不可算名詞の例としては、furniture（家具）、fruit（果物）、mathematics（数学）などがあります。また、pants（ズボン）、glasses（めがね）、scissors（はさみ）などは常に複数形で使われます。police（警察）、people（人民）、cattle（牛）のような集合名詞も複数として扱われます。

名詞の複数形

可算名詞は、単数形では不定冠詞をつけ、複数形では語尾に -s を付します。語尾の発音は、語末の音によって /s/、/z/、/ɨz/ と変化します。不規則な複数形も存在し、単複同形（sheep, aircraft）、母音変化（man/men, foot/feet）、-en がつくもの（ox/oxen, child/children）などがあります。

名詞の所有表現

名詞の所有は、's を用いるか、前置詞 of を用いて表します。

The judge's decision / Decision of the judge : 裁判官の決定
The judges' decision / Decision of the judges : 裁判官たちの決定

派生名詞

他の品詞に語尾を付加して名詞化する例が多くあります。

動詞 + -er/-or: batter
動詞 + -ing: batting
動詞 + -ment: settlement
形容詞 + -ness: madness
形容詞 + -ity: possibility
形容詞 + -ist: specialist
名詞 + -ism: capitalism
名詞 + -ist: capitalist

動詞

一般動詞は、三人称単数現在形で -s が付される以外、活用はほとんどありません。時制による変化は、不規則動詞では語幹変化、規則動詞では -ed 語尾を付加します。動名詞・現在分詞は、原形に -ing 語尾を付加します。

英語の法には、直説法、仮定法、命令法が存在します。仮定法は、条件節内で動詞を過去形にするか、助動詞を用いることで表現します。

例: If I were a bird, I could fly into the sky. 「もし私が鳥ならば、空に向かって飛んでいけるのだが。」

命令法は、動詞を原形で文頭に置くことで表現します。

例: Be quiet. 「静かにしなさい」

時制

英語の基本的な時制は、非過去と過去の二つです。未来のことは、助動詞 will や shall を用いて表現します。また、完了形と進行形が存在します。

現在完了: She has gone to India. 「彼女はインドへ行ってしまった。」
過去完了: He said that she had gone to India. 「彼は、彼女がインドに行ってしまったのだと言った。」
現在進行形: She is playing tennis. 「彼女はテニスをしている。」
過去進行形: She was playing tennis. 「彼女はテニスをしていた。」

助動詞

助動詞は、法や相などの文法的機能を担い、本動詞と共に用います。助動詞には、can, will, shall, may, must, need, dare などがあります。助動詞がない文を疑問文・否定文にするには、助動詞 do を用います。

例: Do you swim? 「あなたは泳ぎますか？」
例: I do not swim. 「私は泳ぎません。」

その他の品詞

形容詞、副詞、冠詞、前置詞、接続詞、間投詞などがあります。品詞は内容語と機能語に大別されます。

基本文型

英語の基本文型は、S+V、S+V+C、S+V+O、S+V+IO+DO、S+V+O+C の5つです。これらの文型は、文の構造を理解する上で重要です。

第1文型 (S+V): He runs.
第2文型 (S+V+C): He is a teacher.
第3文型 (S+V+O): I love you.
第4文型 (S+V+IO+DO): He gave me a book.
第5文型 (S+V+O+C): I think him a suspect.

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