英雄の嘆き

『英雄の嘆き』（Héroïde funèbre）S.102/R.419は、フランツ・リストが1849年から1854年にかけて作曲した8番目の交響詩です。この作品は、七月革命の理想を盛り込んでおり、当初は「革命交響曲」の第一楽章として構想されていました。しかし、最終的には独立した交響詩として完成しました。また、リスト自身によって2台ピアノ版に編曲されています。

作曲は1850年に第一稿が完成し、1854年に第二稿がヴァイマルで完成しました。

編成

『英雄の嘆き』は、以下の楽器編成で演奏されます。

ピッコロ
フルート2
オーボエ2
イングリッシュホルン
クラリネット2
ファゴット2
ホルン4
トランペット2
トロンボーン3
チューバ
ティンパニ4個
シンバル
バスドラム
中太鼓
タムタム
鐘2個
弦五部

この編成からもわかるように、大規模で重厚な響きを持つ作品です。

演奏時間

演奏時間は約20分です。

構成

曲はヘ短調で、葬送行進曲風のレント・ルグーブレの導入部から始まります。この導入部は打楽器のみで演奏され、その後のベルクの「3つの管弦楽曲」第1曲を連想させます。導入部の後、葬送行進曲が始まり、それが展開されます。曲の後半に入るとテンポが速くなり、劇的な音楽が繰り広げられます。しかし、最後は再び元の葬送音楽に戻り、静かに終わります。この構成は、リストのドラマティックな作風をよく表しています。

『英雄の嘆き』は、リストの交響詩の中でも特に重要な作品の一つであり、その豊かな音楽性と構成力は、今日でも多くの人々に感動を与え続けています。この作品は、七月革命の理想を反映した、英雄的な物語を描いた作品であり、リストの情熱と才能が結集した傑作と言えるでしょう。

参考文献

「最新名曲解説全集補巻1 交響曲・管弦楽曲・協奏曲」（平野昭　執筆、音楽之友社）
名曲大辞典　（音楽之友社）
ブライトコップフのスコア、Part.　B.53.

外部リンク

* Héroïde funèbreの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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