范仏

范仏の生涯とチャンパ王国の歴史

范仏（はんぶつ、生年不詳 - 380年）は、チャンパ王国（林邑国）第2王朝の第2代国王として349年から380年まで在位しました。彼は、父である范文の指導理念を受け継ぎ、国の政策や戦略を進める重要な役割を果たしました。

即位と初期の政策

范仏は父の死去により349年に即位し、即座に日南郡（現在のベトナム中部）を占拠する政策を引き継ぎました。この地域は地理的な重要性が高く、当時の持つ軍事的な価値からも重要視されていました。彼の治世の初期は、この地域に対する支配を強固にしようとする努力が見られます。

東晋との衝突

しかし、国王としての彼の統治は平穏ではありませんでした。特に351年、東晋から征西督護の滕畯、交州刺史の楊平、九真太守の灌邃が軍を率いて進軍してきます。范仏は王都カンダプルプラに籠城しましたが、強大な敵に対抗することができず、結局竄川藪へと逃げることとなりました。そこで、彼は東晋軍に降伏し、国の独立が脅かされる結果となります。

その後も、彼は交州刺史の阮敷との戦いや、359年12月の温放之との衝突を経て、その度に defeats を強いられ、徐々に国の立場が不安定になっていきます。

様々な侵攻と屈服

361年には広州刺史の滕含による侵攻があり、これもまた范仏に波乱をもたらしました。強大な軍勢に対処する力を持たない彼は、滕含に屈服せざるを得なかったと記録されています。『隋書』においても、揚威将軍の戴桓に敗れたことが記されています。これらの出来事は、彼の国家戦略と総力戦の限界を如実に示しており、彼の治世は常に東晋の圧力によって脅かされていました。

外交関係

范仏の治世においては、敵対的勢力との関係構築も困難でした。372年の2月27日と377年6月に三度、東晋に遣使を送ることによって、危機管理の一環として交渉を試みたことが記録されています。これにより、一時的には平穏が訪れるも、根本的な国家の安定には至りませんでした。

結論

范仏の存命時、チャンパ王国は外敵の侵略に常に脅かされ、その度に屈服や降伏が強いられました。彼の治世は、父の方針を忠実に守り続けたにもかかわらず、いかにして国内の安定を欠いたかを物語っています。380年に彼が亡くなると、チャンパ王国はさらなる動乱の時代へと突入していくことになります。この歴史的背景は、後の時代におけるベトナムの文化や国家形成にも深く影響を与えました。

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