茅渟王

茅渟王について

茅渟王（ちぬのおおきみ）、または智奴王は、飛鳥時代に生きた皇族で、押坂彦人大兄皇子を父に持ち、母は漢王の妹である大俣王です。彼の名前は、歴史的資料の中で少しずつ登場しますが、その詳細な人物像や活動についてはほとんど記録が残っていません。

家族構成と結婚

茅渟王は異母弟に舒明天皇を持ち、桜井皇子の女である吉備姫王（吉備島皇祖母命）を妻として迎えました。彼との間には、宝女王（後の皇極天皇および斉明天皇）や軽王（孝徳天皇）という二人の子供が生まれています。彼の家族は飛鳥時代の歴史において重要な位置を占めており、この時代の皇統に深く関わっています。

事績の不明

茅渟王の事績については、史書に詳しい記録がないため、不明瞭な部分が多いです。多くの史学者たちは彼の存在に注目し、その実態を解明しようと試みていますが、具体的な業績や活動についてはほとんど何も分かっていません。この点において、歴史学者の塚口義信は『新撰姓氏録』に登場する百済王（百済親王）が茅渟王と同一人物である可能性を示唆していますが、この説には確証がないため、慎重さが必要とされています。

墓所

茅渟王が葬られた場所に関しての記録も少なく、・『延喜式』によると、彼は片岡葦田墓に埋葬されたとされます。また、塚口は奈良県香芝市にある平野塚穴山古墳が茅渟王の墓である可能性があると考えています。この古墳は方墳であり、墓の周囲は18メートルの範囲で国の史跡にも指定されています。

結論

茅渟王は飛鳥時代の重要な皇族でありながら、その詳細な事績は不透明なままです。彼の存在は後の歴史においても語り継がれるものの、多くの点で謎に包まれた人物と言えます。今後の研究によって、彼に関する新たな情報が発見されることが期待されています。

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