茗溪学園中学校・高等学校

茨城県つくば市稲荷前に所在する茗溪学園中学校・高等学校は、学校法人茗溪学園が運営する中高一貫校です。通称「茗溪」として知られ、国際バカロレア（IB）認定校としての顔も持ち合わせています。本校は、実践的な教育を重視し、生徒の自主性や創造性を育むことに力を注いでいます。

教育理念と特徴

「Study-Skills」を合言葉に、生徒たちが主体的に学び、成長できるような教育環境を提供しています。経営母体は筑波大学の同窓会組織である茗渓会であり、その設立は茗渓会創立100周年を記念して行われました。理事長は西野虎之介氏、校長は宮﨑淳氏が務めています。茗溪学園では、生徒一人ひとりの個性と可能性を最大限に引き出すため、多様なクラス編成と教育プログラムが用意されています。

クラス編成

茗溪学園には、生徒の興味や進路に合わせて、以下の3つのクラスが設置されています。

アカデミアクラス（ACクラス）

2021年度から中学1年生を対象に新設されたクラスで、批判的思考力、創造的思考力、実装・実践力の育成を重視しています。小平邦彦氏の「知性＝遠回りする能力」という言葉を基に、深く思考し、問題を解決する力を養います。高校進学時には、選抜試験に合格することで、MGクラスからACクラスへの編入も可能です。また、グローバルコースに所属しながら、ACクラスの授業を受ける生徒も存在します。

MGクラス

中学校におけるメインクラスで、基礎学力の定着と幅広い知識の習得を目指します。

IBクラス

高校1年次から開設されるクラスで、国際バカロレアディプロマプログラム（IBDP）の取得を目指します。グローバルな視野を持ち、国際社会で活躍できる人材育成を目的としています。

各教科の教育方針

国語

現代社会に蔓延するポピュリズムに対抗できる真のエリートを育成するため、「大人の文章」の読み書き能力を徹底的に鍛えます。幅広い分野の教養を身につけ、高度な読解力と表現力を養い、「真に知的な何でも屋」を育てることを目標としています。

数学

過去の偉大な数学者たちの足跡を辿ることで、創造的な思考力を育成します。既存の定理や理論を批判的な視点から吟味し、論理的な思考力を磨きます。また、未解決の問題に挑戦し、論理を再構築することで、実践力を養います。数学を自然科学の基礎言語と捉え、様々な問題に数学的な視点からアプローチできる力を育てます。

グローバルコース

2015年度から開設されたコースで、高い英語力を維持・発展させたい生徒、またはIBDPに関心のある生徒を対象としています。英語の授業は、習熟度別のクラスに分かれて行われ、生徒の英語力を効果的に伸ばします。

クラス構成

G1クラス：英検2級程度以上の英語力を持つ生徒が対象
G2クラス：英検3級～準2級程度の英語力を持つ生徒が対象

クラブ活動

茗溪学園では、運動部、文化部ともに活発な活動が行われています。

運動部

ラグビー部、剣道部、テニス部、器械体操部、バドミントン部、サッカー部、バスケットボール部、バレーボール部、水泳部、柔道部、卓球部、軟式野球部、ダンス部

文化部

科学部（化学班、地質班、生物班、無線工学班、物理班、天文班、数学班）、美術部、写真部、演劇部、書道部、吹奏楽部、室内楽部、文芸部、合唱部、ギター部、地歴部

研究会＆同好会

落語研究会、茶道同好会、イラスト同好会、ボランティア同好会（JRC同好会）、コンピュータシステム研究会（CS研）

沿革

- 1977年：一般社団法人茗渓会創立100周年記念事業として茗溪学園設立を決定。
- 1979年：学校法人茗溪学園設立、茗溪学園中学校・高等学校開校。
- 1988年：全国[[高等学校ラグビーフットボール大会]]で決勝進出、両校優勝。
- 1990年：LL棟増築、コンピューター教育開始。
- 2009年：第2体育館竣工。
- 2011年～2015年：スーパーサイエンスハイスクール（SSH）第1期指定。
- 2012年～2014年：コアSSH指定。
- 2013年：第1グランド人工芝化工事完成。
- 2016年：国際バカロレア（IB）認定。
- 2017年：IBDPコース開設、「Agora hall」竣工。
- 2019年：筑波大学と「グローバル化促進に関する協定」締結。
- 2020年：「Scholar棟」竣工。
- 2021年：ACコース開設、土曜授業終了、成蹊大学と高大連携協定締結。

特色

- 中学1年生を1年生、高校3年生を6年生と呼ぶ独特の学年表記。
- 教員は中学・高校両方の授業を担当し、6年間持ち上がりで担任を続ける場合もある。
- 2020年度までは週6日制だったが、2021年度から週5日制となった。
- 建学の理念は、「国際的日本人」の育成。

英語教育と国際交流

英語教育では、グローバルコースを中心に高い英語力の育成を目指しています。国際交流にも積極的で、帰国子女の受け入れや海外研修など、国際的な視野を養う機会を多く設けています。中学3年時には、JICA筑波国際センター協力のもと、海外からの研修員との交流会を開催しています。

個人課題研究

高校2年生では、卒業論文とも言える個人課題研究が必修となっています。生徒自らがテーマを設定し、教員の指導を受けながら、1年間かけて調査・研究を行います。優れた研究は文化祭で発表され、レポートは数百枚にも及ぶことがあります。また、筑波大学で発表する機会も設けられています。

年間行事

桐創祭（文化祭）

一般公開される文化祭で、多くの来場者で賑わいます。

北風祭（スポーツ大会）

男子はサッカー、女子はドッジボールがメイン種目です。雨天時は全員でドッジボールを行います。

校技大会

男子はラグビー、女子は剣道が校技として定められており、クラス対抗で行われます。

里美キャンプ（中学1年）

旧里美村のキャンプ場で3日間過ごします。

筑波山キャンプ（中学2年）

学校から筑波山周辺まで徒歩で移動し、キャンプを行います。

研修旅行（中学3年）

ACクラスはタイ、MGクラスは沖縄へ研修旅行に行きます。

ステップアップ研修（高校1年）

20kmウォーク後、ホテルで長時間学習します。

海外研修（高校2年）

シンガポールで海外研修を行います。

短期入寮（中学1年・3年、高校2年）

茗溪学園独自の行事です。

突寒ラグビー・寒稽古（高校2年）

毎年2月上旬に、高校2年生が参加する寒稽古が行われます。

出版物

- 『出る杭を伸ばせ―教育実験校「茗渓学園」プロジェクト』（新潮社）
- 『ぼくらのコーラス・レシピ　うたいたいうたをうたいたい』（ドレミ楽譜出版社）
- 『君たちは数学で何を学ぶべきか』（日本評論社）

著名な出身者

森武俊（工学者）、星出彰彦（宇宙飛行士）、大高未貴（ジャーナリスト）、アンディ先生（マジシャン）、岩崎夏海（放送作家）、宅香菜子（心理学者）、蛯原哲（日本テレビアナウンサー）、辻高志（元ラグビー日本代表）など、各界で活躍する多くの人材を輩出しています。

アクセス

鉄道・路線バス

- つくばエクスプレス（TX）つくば駅から学園南循環バス「茗溪学園」下車。
- JR常磐線ひたち野うしく駅から「環境研究所」下車、徒歩約5分。
- つくばエクスプレスみどりの駅、関東鉄道常総線水海道駅から「気象台」下車、徒歩約5分。

スクールバス

研究学園駅、ひたち野うしく駅、荒川沖南、守谷・水海道方面、戸頭・板橋方面、茎崎方面、石下・東光台方面、下館・北条方面など、広範囲にスクールバスが運行しています。

外部リンク

- 公式ウェブサイト
- Google マップ

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