茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校

概要

茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校は、茨城県下妻市に所在する公立の中学校および高等学校です。地元では「下妻一高（しもつまいちこう）」または「妻一（つまいち）」と略称され、県立水海道第一高等学校との定期戦の際には「下高（しもこう）」とも呼ばれることがあります。また、生徒や教職員、同窓会会員からは「為桜学園（いおうがくえん）」という名称でも親しまれています。創立は1897年と古く、茨城県西地域の伝統校として、地域社会とともに歩んできました。学校独自の体操である「為桜体操」や、旧制第一高等学校の寮歌「嗚呼玉杯に花受けて」の旋律を借用した校歌など、独自の特色を持っています。

沿革

本校の歴史は、1897年4月に茨城県尋常中学校下妻分校として開設されたことに始まります。その後、1899年4月に茨城県中学校下妻分校と改称され、1900年4月には茨城県下妻中学校として独立しました。この際に水海道分校（現在の茨城県立水海道第一高等学校）が設置されています。1901年4月には茨城県立下妻中学校となり、戦後の学制改革を経て1948年4月に茨城県立下妻高等学校と改称、全日制と定時制の普通科が設けられました。同月には上山川分校（後に茨城県立結城第一高等学校へ移管）も開設。1949年4月に現在の校名である茨城県立下妻第一高等学校となりました。そして、2022年4月には附属中学校が設置され、併設型中高一貫教育を開始しています。

主な施設

広大な敷地には、教育活動を支える様々な施設が整備されています。中心となる本館をはじめ、実験・実習などを行う特別教室棟、学習支援のための為桜学習館、二棟の体育館（第一・第二体育館）、プール、柔剣道場などが配置されています。また、部活動のための運動部部室（二棟）や文化部部室も設けられています。同窓会組織である為桜同窓会が運営する為桜会館は、同窓生の交流拠点や合宿所として利用されています。為桜図書館は特別棟内にあり、充実した蔵書を誇ります。弓道場も完備されており、伝統的な武道教育にも力を入れています。

特色ある行事

年間を通じて、多岐にわたる学校行事が実施されています。特に、長年にわたり受け継がれている県立水海道第一高等学校との定期戦は、両校の交流を深める重要な行事です。クラスマッチでは、ドッジボールやサッカー、硬式テニス、バレーボールといった球技に加え、学年別のクラス対抗リレーでクラスの団結を競います。一年生は英語研修を目的としたブリティッシュヒルズでの宿泊研修、二年生は修学旅行が実施されます。学校最大のイベントである為桜祭（文化祭）や、体力向上とクラスの親睦を図る為桜オリンピック（体育祭）、長距離を歩く踏破会など、生徒たちの成長を促す多彩な活動が行われています。

部活動

生徒たちは、様々な運動部および文化部で活発に活動しています。運動部には、野球、バレーボール、バスケットボール、サッカー、ラグビー、テニス、卓球、ソフトテニス、柔道、剣道、弓道、陸上競技、水泳、バドミントン、空手道部といった多様な選択肢があります。また、学校行事や部活動を盛り上げる為櫻應援團やチアリーダーも活躍しています。文化部では、英語、吹奏楽、弦楽、地学、漫画研究、生物、華道、新聞、情報科学、JRC、囲碁将棋、文芸、美術、写真、演劇、茶道、クッキング、軽音楽、ダンス、書道、映像研究部など、文科系の幅広い分野で生徒たちがそれぞれの興味や才能を伸ばしています。

同窓会と出身者

同窓会は「為桜同窓会」と称しており、卒業生同士の連携を深め、母校の発展を支援しています。「為桜」の名は、藤田東湖の漢詩「和文天祥正気歌」の一節「発為万朶桜（発いては万朶の桜と為る）」に由来し、多くの卒業生が社会に貢献することを願う意味が込められています。為桜同窓会は、東京大学に進学する卒業生を対象とした独自の奨学金制度を設けるなど、後輩の育成にも力を入れています。

本校からは、様々な分野で活躍する多くの著名な人材を輩出しています。作家の堂場瞬一氏や海老沢泰久氏、実業家として三井不動産会長を務めた江戸英雄氏、能書家の松本筑峯氏、彫刻家の市村緑郎氏などが知られています。また、プロサッカー選手の磯山和司氏やプロ野球選手の斉藤学氏といったスポーツ界、昆虫学者の霜田政美氏や空手家の大塚博紀氏、ゲームクリエイターの薗部博之氏といった専門分野、さらに政治家やアナウンサーなど、多岐にわたる分野で卒業生が活躍し、社会に貢献しています。

もう一度検索