荒井橋

荒井橋の概要

荒井橋（あらいばし）は、埼玉県北本市の荒井と比企郡の吉見町江和井を結ぶ長さ642.05メートルの橋です。この橋は荒川に架かる交通の要所で、埼玉県道33号東松山桶川線に含まれており、県内の交通網を支えています。橋の横幅は11.25メートル、車道部分が7.75メートルあり、歩道は上流側に設けられています。

右岸側は荒川沿いの低地で連続した堤防が形成されていますが、左岸側は大宮台地に接しており、堤防がありません。上流には約800メートルの距離で、冠水橋の高尾橋が位置しています。荒井橋の名前は、かつて「荒井の渡し」と呼ばれた渡船に由来しています。

この橋は、埼玉県衛生研究所や老人福祉センター荒川荘と北本駅を結ぶ川越観光自動車の運行経路であり、地域の交通にも貢献しています。また、吉見町側の停留所「江和井南」はかつて町内巡回バスのルートに含まれていましたが、2019年4月からのサービス変更によりデマンド型交通へ移行しました。

歴史

荒井の渡し

橋が完成する前、荒井橋の場所には「荒井の渡し」と呼ばれる渡船が運営されていました。この渡船は荒井村と江和井村を結び、ほかにも荒井河岸や高尾河岸が水運に関与していました。1685年の資料には、年貢米が江戸へ運ばれた記録が残されており、荒井河岸はその頃には存在していたと考えられています。

渡船の運賃は当時、徒歩での渡航が二厘五毛、荷馬では六厘でしたが、1933年に荒井橋が完成したことでこの渡船は廃止されました。

初代荒井橋の架設

1933年3月15日、初代荒井橋が木製の冠水橋として開通しました。開通式には多くの関係者が出席し、渡り初めや神楽などの余興が行われる賑やかな祝典が催されました。この橋は当初、村道としての役割を果たしていましたが、1939年には県道に指定されました。橋は地元の人々によって管理され、洪水などの際には臨時の渡船が設けられました。

1938年の大洪水によって初代橋が流失し、復旧には地域の努力が必要でした。この橋は洪水による損失を繰り返し経験し、1965年の台風でも再度流失しましたが、県による復旧工事が行われました。

新たな橋の策定

1973年には、荒川の流路を改修し、北本捷水路を新たに開削。その上に橋が再び架けられましたが、1982年にはさらなる橋の架け替えが検討され、地域の合意のもとに国に請願が行われました。1976年から工事が始まり、1982年に竣工した現在の荒井橋は鋼連続箱桁橋として、地域交流の要所へと成長しました。

この新しい橋の開通により、多くの大型車両の通行が可能になり、交通の利便性が大きく向上しました。開通式では、地域住民による渡り初めが行われるなど、地元の盛大なイベントとなりました。

周辺の見どころ

荒井橋周辺には広い河川敷があり、特に下流側には、全国最大級のビオトープ「荒川ビオトープ」が整備されています。また、上流の谷戸地には美しい「高尾宮岡の景観地」があり、自然と歴史が融合する魅力的なスポットです。

桜の名所としても知られるこの地域では、石戸蒲桜などが花見に訪れる人々を迎えます。さらに、周辺には公園や観察施設も点在しており、地域の自然と交流を楽しむことができます。特に春には多くの花見客で賑わう様子が見られます。

主要な施設

• - 北本水辺プラザ公園: 館があり、自然の中で楽しむことができます。
• - 高尾さくら公園: さまざまな桜が楽しめる場所です。
• - 氷川神社・須加神社: 地元の信仰の場として訪れる人も多いスポットです。
• - 北本自然観察公園: 豊かな自然環境の中で観察活動が行えます。

荒井橋は、単に交通の要所であるだけでなく、その周辺には自然や歴史が息づき、多くの人々に愛される場所でもあります。

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