厘

厘（りん）の概要

厘（りん）は、主に長さや質量を表す単位で、1/100の比率を示します。日本や中国においては、尺貫法の一部として広く使用されてきました。元々の漢字は「釐」であり、厘はその簡略化された形となっています。厘は様々な分野で使用されており、多様な用途があります。

単位の概念と相関関係

1厘は10毛、100糸、そして1000忽に相当します。国際単位系（SI）においては、センチ（c）と同様の意味を持つため、厘の利用は中国や台湾の国際単位系においても確認されています。一方で、1/1000を示すミリ（m）には「毫」という単位が用いられています。

用法・利用

長さの単位

長さの単位としては、1厘は1/100寸であり、約0.303ミリ[[メートル]]に相当します。鯨尺（くじらじゃく）という伝統的寸法法では、1厘が約0.379ミリ[[メートル]]にあたります。これは特に日本の工芸や建築に関連した分野において、細やかな計測が要求されるシーンで重宝されています。

質量の単位

質量においては、1厘が1/100銭（匁）を表し、これによりおおよそ37.5ミリグラムに相当します。この質量の単位に由来して、江戸時代の「釐等具」という竿秤が誕生しました。この竿秤は、厘という小さな単位まで精密に測定できるもので、漁師や商人の間で重宝されていました。

無次元量の単位

厘は無次元量の単位としても使用され、分の1/10に相当します。例えば、「3割2分8厘」という表現は、3.28割を意味し、このときの厘は全体から見ると0.001（0.1%）という印象を持たれることもありますが、割の1/100という意味が強調されます。

金銭の単位

金銭の単位として、厘は1円の1/1000として、また1銭の1/10として利用されます。日本では明治初頭に設定された通貨単位で、特に歴史的には明治6年に発行された1厘銅貨や、大正5年に発行された5厘青銅貨があります。その後、1953年に関連する法令が成立し、厘は現在の計算単位としては役割を終えましたが、法律上有効な郵便切手として一部残存しています。

歴史的経緯

中国においては、古くから「氂」や「釐」と表記されてきました。『孫子算経』の中では、1寸や1分など、他の単位との相関も示されています。日本では、長い歴史の中で単位の順序が変化しており、近世においては分から厘、厘から毛の順に使用されています。中国では一貫して分から厘、厘から毛の順が守られています。

特に、プロ野球などでも打率を示す際に厘が使われるケースが見受けられます。

漢字の構成

厘は、メートル法におけるセンチを接頭する単位の漢字の構成要素であり、たとえば米（メートル）と組み合わせて糎（センチメートル）、瓦（グラム）と組み合わせて甅（センチグラム）となります。これは、厘が長さや質量の表記において重要な役割を果たしていることを示しています。

結論

このように、厘は日本や中国において長い歴史を持ち、様々な分野で使用されてきた単位です。特に長さや質量において、また金銭の単位としても利用され、今でも特定の分野でその存在を感じさせる重要な単位であることがわかります。

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