菅野尚一

菅野 尚一 (すがの ひさいち)

菅野尚一は、1871年5月10日に山口県豊浦村で誕生しました。彼は長府藩の出身で、父は陸軍主計大尉の尚喬です。彼は陸軍幼年学校を首席で卒業し、1891年に陸軍士官学校を卒業した後、少尉として日清戦争に従軍しました。1899年には陸軍大学校を卒業し、また大尉として日露戦争にも出征しており、特に奉天会戦では乃木希典の第3軍の参謀を務めました。

菅野は1917年にアメリカへ派遣されて石井・ランシング協定の締結に貢献し、当時中将だった竹下勇と共に大使の随行として参加しました。この訪問の際には、セオドア・ルーズベルト元大統領と親交を築くことに成功しました。彼はその後も軍務局長や師団長、台湾軍司令官など様々な役職を歴任しました。特に台湾軍司令官としては、最年少で大将に昇進しました。

しかし、教育総監に就任する直前に彼は上原勇作らの反長州派からの妨害に遭い、陸軍を退陣する事態に至りました。これにより、彼の後任には武藤信義が就任しました。その後、菅野は公の場から姿を消し、1947年には公職追放も受けました。1953年6月20日、故郷である山口県にて83歳で息を引き取りました。

年譜

• - 1889年7月: 陸軍幼年学校を卒業
• - 1891年7月: 陸軍士官学校を卒業（士官候補生2期）
• - 1892年3月: 歩兵少尉に任官
• - 1894年6月: 日清戦争に出征
• - 1895年12月: 歩兵中尉に昇進
• - 1898年10月: 歩兵大尉に昇進
• - 1899年12月: 陸軍大学校を卒業
• - 1904年2月: 日露戦争に出征
• - 1905年1月: 第3軍の参謀
• - 1915年8月: 陸軍少将に昇進
• - 1918年7月: 歩兵第29旅団長
• - 1925年8月: 陸軍大将に昇進
• - 1928年1月: 正三位に叙位

栄典

菅野は少佐としての昇進や様々な勲章も受けており、彼の業績は歴史に名を刻むこととなります。例えば、1912年には韓国併合記念章を授与され、1919年には勲二等瑞宝章、そして1920年には旭日大綬章を受けています。

菅野には多くの親族も存在し、弟は陸軍大佐の菅野謙吾で、彼の子どもたちも陸軍や政界で活躍しています。特に長男の菅野良や次男の菅野誠は、それぞれの道で重要な役割を果たしています。

おわりに

菅野尚一は、陸軍において数々の戦争に従軍し、重要な職を歴任した人物であり、その政治的経歴は彼の生涯における複雑さを反映しています。彼の功績は、陸軍の指導者としての役割を超え、歴史においても評価されています。

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