菊地美紀

菊地美紀は、1967年5月27日に宮城県柴田町で生まれました。彼女のキャリアは、東北地方での商業写真や商品撮影から始まりました。その後、東京へ進出し、写真家・細江英公が主宰する写真教室CORPUSに第5期生として参加し、写真の技術を磨きました。同時期にフリーランスとしての活動も開始しました。

1993年には、写真教室CORPUSの仲間である佐々木六介、細渕太麻紀、西岡浩記、笠井爾示、大井慶子、そして2期生の谷口雅彦と共に写真集団CUM-ADMIXを結成。このグループでの活動を通じて、多様な写真表現を追求しました。さらに1994年には、写真家の谷口雅彦、村瀬太加夫と実験写真家ユニット「527」を立ち上げ、1999年の解散まで9回の展覧会を開催しました。このユニットでは、より実験的で独創的な写真表現に挑戦しました。

1999年頃、菊地は故郷の宮城県に戻り、その後は中国やベトナムなど、アジア各地を訪れて撮影を行いました。これらの撮影旅行は、彼女の作品に異文化の視点と多様性をもたらしました。また、東北大学総合学術博物館での標本写真撮影や総合学術コレクションの図録撮影にも携わりました。この博物館での仕事は、彼女に学術的な視点と精密な記録の重要性を認識させました。

2011年3月11日、東日本大震災が発生した際、菊地は大学での撮影中に被災しました。この経験から、緊急時における冷静な判断の難しさを痛感し、日々の備えや状況確認は日常の観察から生まれるという認識を深めました。この震災の経験は、彼女の作品に対する視点にも影響を与えたと言えるでしょう。

2017年9月からは、奈良県奈良市に移住し、写真家としての活動を精力的に続けています。現在も、個展の開催や写真集の発表を通して、その創作活動を発信しています。

菊地美紀の作品は、その多様な表現スタイルと、被写体に対する深い洞察力によって特徴づけられます。彼女の写真は、単なる記録にとどまらず、見る人に感動と問いかけを与える力を持っています。また、彼女の作品は、アジアの文化や自然の美しさを捉え、それらを独自の視点で表現している点も評価されています。

受賞歴

1992年：日本広告写真家協会金丸重嶺賞

外部リンク

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