谷口雅彦

谷口雅彦：写真家、アートプロデューサー、そして文化の探求者

谷口雅彦（たにぐち まさひこ）は、1967年5月27日、北海道旭川市に生まれました。写真家、アートプロデューサー、日本近現代写真研究家として多岐にわたる活動を展開しており、その情熱は写真という枠を超え、文化の探求、地域への貢献へと広がっています。

写真家としての原点

谷口の写真家としての歩みは、幼少期に遡ります。3歳で初めてカメラに触れ、9歳で自らカメラを購入。12歳でモノクロフィルムの自家現像を始めるなど、その情熱は早くから芽生えていました。写真家としての本格的な活動は、VIVOの写真家である丹野章、細江英公に師事したことから始まります。また、専門学校では樋口健二に学び、写真技術だけでなく、写真に対する深い洞察力を養いました。

舞踏と写真の融合

谷口の作品の特徴の一つは、舞踏家とのコラボレーションです。特に、舞踏家土方巽に影響を受け、その著書『病める舞姫』をモチーフにした写真プロジェクトは、彼の代表作の一つです。土方ゆかりの舞踏家をモデルに、秋田の風土を背景に撮影された写真は、国内外で高い評価を受け、写真展や写真集として発表されました。また、アメリカの写真家ウィリアム・クラインが撮影した土方巽らのパフォーマンス写真を、現代のダンサーと再現する試みにも参加。写真を通じた身体表現の可能性を追求し続けています。

多岐にわたる活動

谷口の活動は、写真撮影にとどまりません。メディアやアートイベントのプロデュース、映画祭の審査員、音楽家とのユニット活動など、その活動は多岐にわたります。2013年からは、写真家高田幸枝とユニット「#527」を結成し、共同で作品制作やプロジェクトを展開。2023年からは、旭川の新聞で写真に関する連載をスタートするなど、精力的な活動を続けています。

写真アーカイブ活動

谷口は、写真アーカイブ活動にも力を入れています。谷口雅彦写真アーカイブ室を設立し、自身の作品だけでなく、日本近現代の写真に関する資料を収集、研究。旭川市民活動団体「あさひかわ写真アーカイブ研究会」の顧問を務めるなど、地域における写真文化の保存と発展にも貢献しています。2024年には、これらの活動が評価され、旭川市ななかまど文化賞を受賞しました。

谷口雅彦の人物像

谷口は、写真家としての活動だけでなく、その人柄も多くの人を惹きつけます。ホラー作家の平山夢明のエッセイにも「谷やん」として登場。そのユニークな視点と行動力は、多くの人に刺激を与えています。また、東日本大震災の復興支援活動にも積極的に取り組み、「3.11を忘れない写真家の会」を立ち上げ、被災地の写真展を開催するなど、社会貢献にも力を入れています。

写真への情熱

谷口の写真は、単なる記録ではなく、そこには物語が宿っています。被写体の内面に迫るポートレート、ドキュメンタリー、身体表現など、その表現方法は多岐にわたります。幼少期から写真に魅せられ、写真とともに歩んできた谷口にとって、写真は単なる表現手段ではなく、生き方そのものです。

経歴

1967年 - 北海道旭川市に生まれる。
1986年 - 旭川実業高等学校卒業後、上京。
1988年 - 日本ジャーナリスト専門学校メディア研究科入学。写真家丹野章に師事。
1992年 - 写真家細江英公主宰の写真教室「CORPUS」に参加。
1992年 - フリーランスの写真家として活動開始。
1994年 - 写真家ユニット「527」を結成。
1997年 - 写真イベント「写真タワープロジェクト」をプロデュース。
2002年 - 写真集『日々の旅 1993-2002』を刊行。
2007年 - 谷口雅彦写真アーカイブ室を設立
2011年 - 「3.11を忘れない写真家の会」を立ち上げ、代表となる。
2012年 - 写真集『沈黙と饒舌と　原発のある町』を出版。
2013年 - 写真家高田幸枝とユニット「#527」を結成。
2022年 - 旭川市文化奨励賞を受賞。
2024年 - 旭川ななかまど文化賞を受賞。

主な作品

写真集『日々の旅 1993-2002』
写真集『沈黙と饒舌と　原発のある町』
写真集『津波を乗り越えた町々　東日本大震災十年の足跡』
写真集『オーラ!?不思議なキルリアン[[写真]]の世界』
写真集『LIVE DANCERS -劇場の天使たち-』
写真集『土方巽原作「病める舞姫」東北歌舞伎計画秋田公演』
著書『裸女の秘技絢爛絵巻　ストリップはいま』

受賞歴

毎日新聞ニュース写真1989年度賞特選
日本写真家協会（JPS）展入選
旭川市文化奨励賞
旭川ななかまど文化賞

谷口雅彦は、写真家としてだけでなく、アートプロデューサー、研究者、そして文化の担い手として、その活動領域を広げ続けています。写真への情熱と社会への貢献を両立させる谷口の姿は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

その他

谷口の活動や作品に関する情報は、以下のリンクから確認できます。

谷口雅彦　写真と日々とアーカイブと
* Channel527

もう一度検索