菊池川

菊池川

菊池川は、熊本県北部を流れる一級河川であり、その水系における本流です。阿蘇外輪山の尾ノ岳南麓に源を発し、上流部の菊池渓谷を経て西へと流れ、和水町北部で南に転じ、玉名市街地南部をかすめて有明海に注ぎます。河口部では干拓も行われてきました。

地理

源流は標高1041mの尾ノ岳南麓に位置し、そこから流れ出す水は、美しい菊池渓谷を形成します。この渓谷は阿蘇くじゅう国立公園内にあり、名水百選、森林浴の森百選、水源の森百選、日本の滝百選にも選定されるほどの景勝地です。川は西へ流れ、和水町北部で大きく南へと向きを変え、玉名市街地を通り有明海へと注ぎます。この流れの中で、川は多くの支流と合流し、豊かな流域を形成しています。

歴史

菊池川流域は、西南戦争の激戦地の一つとしても知られています。この地域は歴史的にも重要な場所であり、その歴史は川の流れと共に刻まれてきました。

語源

川の名前は、流域の地名である「菊池」に由来すると考えられています。「菊池」の語源については諸説あり、その一つとして、延久3年（1070年）に藤原則隆が拠点を置いた「菊之池」を短縮したという説があります。また、中原英は「水がピチャピチャした湿地帯」や「茂賀の浦の水が引いた後の湿地帯」を意味すると唱えました。さらに、『魏志倭人伝』に登場する狗奴国の役人「狗古智卑狗」の名に由来するという説も存在します。

地名用語語源辞典によれば、「く・こ・ち」はそれぞれ「崩壊地」「大きな水」「場所」を意味し、また「くご」の変形である「くぼ（窪）」を意味するとも解釈できます。「くく」は「低く窪んだ所」「谷間」「山中の小平坦地」などを意味します。

流域の自治体

菊池川が流れる主な自治体は以下の通りです。

熊本県：菊池市、山鹿市、玉名郡和水町、玉名市

並行する交通

菊池川沿いには、以下の主要地方道が並行しています。

熊本県道・福岡県道6号玉名立花線
熊本県道16号玉名山鹿線
熊本県道45号阿蘇公園菊池線

橋梁

菊池川には、以下の主要な橋が架かっています。

竈門大橋
内藤橋
玉杵名大橋
玉名橋
菊池川大橋（国道208号玉名バイパス）
高瀬大橋（県道寺田岱明線、旧国道208号）
新大浜橋（国道501号）

支流

菊池川には多くの支流が流れ込んでいます。

合志川
塩浸川
江田川
木葉川
繁根木川

流域の観光地

流域には、以下の観光地があります。

菊池渓谷：名水百選にも選ばれた美しい渓谷。
玉名温泉：豊富な湯量を誇る温泉地。

脚注

菊池川は、地域の人々の生活と密接に関わり、その豊かな水は農業や生活用水として利用されています。

外部リンク

菊池川河川事務所
るるぶ観光情報 菊池川流域
菊池川渓谷

関連項目

* 昭和28年西日本水害：1953年に発生した九州北部を襲った大規模な水害で、菊池川も氾濫しました。

菊池川は、その美しい自然と豊かな歴史を持つ、地域にとってかけがえのない存在です。

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