菊池聡

菊池聡

菊池聡（1963年 - ）は、日本の認知心理学者であり、信州大学人文学部の教授を務めています。専門は認知心理学であり、特に人がなぜオカルトや超常現象を信じてしまうのか、その心理的な背景やメカニズムについて研究しています。

経歴

埼玉県出身。京都大学教育学部を卒業後、京都大学大学院教育学研究科博士課程を単位取得退学しました。学術的な研究活動に加え、一般読者向けに平易な言葉で解説した著作を多数発表しており、科学的な視点から超常現象や疑似科学を批判的に考察しています。Japan Skepticsの監査委員も務めています。

研究内容

菊池聡の研究の中心は、人が非科学的な事柄を信じてしまう心の働きを解明することにあります。著書などを通じて、疑似科学や超常現象を信じる背景には、認知バイアスや論理的な誤りといった心理的な要因が深く関わっていることを指摘しています。

3た論法

菊池聡は、「3た論法」という概念を提唱しました。これは、「〜をした、良いことが起きた、ゆえに〜に効果があった」という形式の誤った推論を指します。例えば、「幸運のお守りを身に付けた、良いことが起きた、ゆえにお守りに効果があった」というように、偶然の出来事を特定の原因と結びつけてしまう思考パターンです。菊池は、このような「3た論法」が、人が疑似科学的な考えに陥るきっかけになるとして警鐘を鳴らしています。

著作

菊池聡は、多数の著書や論文を発表しています。主な著作には以下のようなものがあります。

『思い込みを生む「体験」のあやうさ　超常現象をなぜ信じるのか』（講談社ブルーバックス）
『人はなぜオカルトにひかれるのか　超常現象の心理学』（平凡社新書）
『「自分だまし」の心理学』（祥伝社新書）
『なぜ疑似科学を信じるのか　思い込みが生みだすニセの科学』（化学同人DOJIN選書）
『より良い思考の技法―クリティカル・シンキングへの招待―』（放送大学教育振興会）

これらの著作を通じて、菊池聡は、科学的な思考の重要性や、人が陥りやすい誤った認識について啓発的な議論を展開しています。また、共著や編著、翻訳も多数手がけており、幅広い分野で活躍しています。

関連項目

ASIOS
確証バイアス
疑似科学
クリティカル・シンキング
Japan Skeptics
超常現象
認知心理学
認知的不協和
認知バイアス

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