菊田幸一

菊田 幸一 - 日本の法学者

基本情報

菊田幸一（きくたこういち）は、1934年12月15日生まれの日本の法学者で、刑事法、刑法学、犯罪学、さらには刑事政策の専門家です。彼は法学博士（明治大学、1967年）を取得し、明治大学の名誉教授として知られています。滋賀県長浜市の出身で、現在は監獄人権センターの副会長を務めながら、特定非営利活動法人「犯罪と非行協議会」の理事長としても活動しています。また、弁護士としても登録があり、第二東京弁護士会に所属しています。

菊田氏の業績の一環として、毎年、刑事政策の分野で革新的な研究を行った若手研究者に「菊田クリミノロジー賞」が贈られています。彼の家庭においては、格闘家の菊田早苗が次男として知られています。

経歴

1967年に明治大学大学院法学研究科の博士課程を修了し、学位論文として「保護観察制度の研究」を提出しました。在学中には、木村龜二教授の推薦により法務総合研究所にて研究官補を務め、その後、アメリカに留学し、全国の刑務所を視察しました。帰国後、明治大学で教授職をつとめ、法学博士課程を有する助教授としてもキャリアを築きました。

司法試験には合格していませんが、法学の教育に5年以上従事後、弁護士資格を取得しました。彼は犯罪学における第一人者としても注目されていますが、司法試験の考査委員には選ばれなかったという経歴を持っています。定年後は刑事施設法検討委員会に顧問として名を連ね、監獄法の改正に尽力しました。

2013年には、死刑囚の親権を持つ実父の成年後見人の職務においてお金の管理がずさんであったとして、業務停止の懲戒処分を受けました。この懲戒処分は実は2010年にも受けており、そこでは知人の法的トラブルの解決のために現金を融資していたことが問題視されました。

活動

菊田幸一は死刑廃止を訴える強烈な支持者で、死刑問題に関しては積極的に意見を述べています。彼は、代わりに終身刑を導入する必要性を訴え、被疑者や囚人の法的権利を重視した学説を提唱しています。また、冤罪防止や日本の更生制度について懸念を示し、地域社会や警察に性犯罪者の情報提供に反対する立場を取っています。

海渡雄一と共に監獄人権センターの設立にも関与し、刑事事件や受刑者の人権問題に取り組む弁護士として知られています。犯罪被害者の救済や加害者との和解を目指し、各種活動を通じて社会に貢献しています。

発言

自身の著書『死刑廃止・日本の証言』においては、死刑に対する深い考察を述べた際に加害者の親が抱える苦悩について触れており、社会問題への鋭い視線を持っています。

評価

著名なテレビ番組『たかじんのそこまで言って委員会』に出演し、彼の死刑廃止論に対する意見が批判を受けた経験もあり、さまざまな観点から議論を引き起こす存在です。特に、彼の意見は法学界の中でも賛否を呼ぶことが多く、橋下徹弁護士からは厳しい評価を受けました。

著書

菊田氏は多くの著書を執筆し、主に少年法、死刑廃止を含む刑事政策に関する重要な見識を示しています。代表的な作品には『少年法概説』『死刑―その虚構と不条理』『死刑廃止に向けて』などがあります。彼の研究と活動は日本の法学界において大きな影響を与え続けています。

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