菱刈郡

菱刈郡（ひしかりぐん）とは

菱刈郡は、かつて鹿児島県（大隅国）に存在した郡です。1879年（明治12年）に行政区画として発足しましたが、1897年（明治30年）に伊佐[[郡]]の発足に伴い廃止されました。郡域は現在の伊佐市の一部（菱刈各町・大口曽木・大口針持）にあたります。

郡域

菱刈郡は、発足当初、現在の伊佐市の一部を占めていました。現在の伊佐市は、旧大隅国（南部）と旧薩摩国（北部）に分かれていますが、その境界は川内川とその支流によって形成されています。具体的には、上流から市山川、重留川、羽月川などが境界となっていました。

歴史

近世以前

古代、菱刈郡の地域は荒れ地でしたが、755年（天平勝宝7歳）に930名が入植し、菱刈郡が設置されました。本格的な開発は江戸時代に入ってからで、河川改修などが頻繁に行われ、広大な水田地帯へと発展しました。

近代以降の沿革

明治初年時点では、菱刈郡の全域が薩摩鹿児島藩領でした。「旧高旧領取調帳」によると、明治初年時点での村は以下の13村でした。

馬越郷：前目村、田中村、徳辺村
湯之尾郷：川南村、川北村
本城郷：荒田村、下手村、重留村、南浦村
曽木郷：里村、針持村
大口郷（一部）：市山村、花北村

これらの村は現在、すべて伊佐市に属しています。

明治2年（1869年）には、馬越郷と湯之尾郷が合併して菱刈郷となり、本城郷と曽木郷が合併して太良郷となりました。明治4年7月14日（1871年8月29日）には、廃藩置県により鹿児島県の管轄となりました。

郡発足以降の沿革

明治12年（1879年）2月17日、郡区町村編制法の鹿児島県での施行に伴い、行政区画としての菱刈郡が発足しました。「宮之城郡役所」が伊佐[[郡]]屋地村に設置され、同郡および薩摩[[郡]]とともに菱刈郡を管轄しました。

その後、明治14年（1881年）7月28日には「加治木郡役所」の管轄となり、明治20年（1887年）5月9日には「牛山郡役所」が北伊佐[[郡]]里村に設置され、同郡とともに菱刈郡を管轄しました。

明治22年（1889年）4月1日、町村制の施行により、以下の2村が発足しました。

菱刈村：前目村、田中村、川北村、徳辺村、市山村、花北村、重留村、下手村
太良村：南浦村、荒田村、川南村、里村、針持村

明治24年（1891年）8月8日には、太良村が分割され、一部（南浦・荒田・川南）が東太良村、残部（里・針持）が西太良村となりました。

明治30年（1897年）4月1日、郡制の施行により、「牛山郡役所」の管轄区域をもって伊佐[[郡]]が発足し、同日をもって菱刈郡は廃止されました。旧郡域は、このとき薩摩国の所属となりました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 46 鹿児島県、角川書店、1983年3月1日。ISBN 404001460X。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧

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