菱川章

菱川 章

菱川 章（ひしかわ あきら）は、1947年1月2日に岡山県で生まれ、2020年3月16日に73歳で亡くなったプロ野球選手です。主に外野手としてプレーしました。

アマチュア時代

岡山県立倉敷工業高等学校に進学した菱川は、野球部でその才能を開花させます。1年生だった1962年の夏には控えの外野手として夏の甲子園に出場。しかし、2回戦で北海高校に敗れ、この時のチームには1学年上の槌田誠がいました。続く1963年の夏、2年生時には左翼手として夏の県予選決勝まで駒を進めます。しかし、決勝では岡山東商業高校を相手に、9回裏に林田真人を中心とした打線に逆転サヨナラ負けを喫し、甲子園出場は叶いませんでした。翌1964年、3年生となった春には選抜高等学校野球大会への出場を果たし、開会式では選手宣誓の大役を務めています。この大会では初戦（2回戦）で金沢高校に敗退しましたが、高校時代の同期には秋山重雄、杉本郁久雄、羽村起夫といった後にプロに進む選手たちがいました。

高校野球を終える前、菱川は高校を中退し、複数のプロ球団から獲得の申し出を受ける争奪戦の末、1965年に中日ドラゴンズへの入団を決めました。

プロ野球時代

プロ入り後は、その長打力を将来の主砲として期待されました。新人ながらも1軍で34試合に出場し、同年にはジュニアオールスターゲームにも選ばれるなど、高い評価を得ます。1967年には12試合に先発出場する機会を得て、シーズン終盤には2試合ながらも五番打者として起用され、打率.264を記録しました。しかし、その後は期待されたほどの成績を残せず、レギュラー定着には至らず伸び悩む時期が続きました。

チームを支えていた江藤慎一が水原茂監督との確執から1970年限りで退団したことは、チームにとって長距離打者の育成が喫緊の課題となる出来事でした。その中で、1971年にはシーズン開幕直後から15試合にわたり四番打者に抜擢されるなど、改めてその打力が試されます。この年は右翼手や中堅手として合計82試合に先発出場し、13本塁打を放ちましたが、打率は低迷しました。翌1972年になると、大島康徳や江島巧といった若手選手の台頭もあり、再び出場機会が減少してしまいます。

1972年のオフ、菱川は日拓ホームフライヤーズへの移籍が決まります。新たな環境での再起を期しましたが、残念ながらここでも目立った活躍はできず、1973年シーズン限りで現役を引退しました。

引退後と晩年

プロ野球選手としてのキャリアを終えた菱川は、故郷である岡山県へ戻り、親族が営む店で新たな道を歩みました。

2020年に転倒したことがきっかけで名古屋市内の病院に入院していましたが、容態が悪化し、同年3月16日に73歳でその生涯を閉じました。

記録と背番号

プロ野球での主な記録には、1965年7月24日の対読売ジャイアンツ戦（中日球場）での代打出場が初出場です。初先発出場は同年7月29日の対大洋ホエールズ戦（中日球場）で、7番中堅手として出場しました。そして、印象的な初安打と初本塁打は、同じく1965年8月15日の対広島カープ戦（中日球場）で記録されています。7回裏に代打として登場し、安仁屋宗八投手から3ランホームランを放ちました。

プロ生活で背負った背番号は、中日ドラゴンズ時代（1965年～1972年）が「9」、日拓ホームフライヤーズ時代（1973年）が「51」でした。

年度別打撃成績については別途資料を参照。
関連項目として、岡山県出身の人物、中日ドラゴンズ、北海道日本ハムファイターズ（日拓ホームフライヤーズの後継球団）に関連する人物リストが挙げられます。

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