萬松園

萬松園（ばんしょうえん）

岐阜県各務原市鵜沼宝積寺町にある萬松園は、著名な女優川上貞奴（本名 小山貞）の別荘として知られています。この施設は、彼女が女優を引退した1933年に建立されたもので、貞奴の菩提寺でもある貞照寺の近くに位置しています。広大な敷地（約1,500坪）には、優れた数奇屋造りの建物があり、茶室を含む美しい庭が広がっています。建物の面積は約150坪で、一部は二階建てとなっています。

建物の特徴

萬松園の屋根は南部鉄器で葺かれ、数奇屋風の設計が施されています。外観には洋風のサロンルームや、萱葺きの民家風の建物が含まれており、非常に独特で魅力的な景観を形成しています。保存状態も良好で、内部には当時のままの装飾品や壁が残っています。

施設に入ると「桐の間」と呼ばれる客室が広がっており、その床は上段床となっています。また、華頭窓は道成寺の鐘形としてデザインされており、襖には豊州画伯による木曽の山水画が描かれていて、文化的な価値が高まっています。

歴史的背景

貞奴が亡くなる1945年にはこの別荘は個人に売却され、その後都築紡績（現在のKBツヅキ）に所有権が移りました。この時から約70年間、一般の公開は行われず、同社の保養所として使用されていました。しかし、工場の閉鎖に伴い、2004年に現在の所有者に売却されました。

2007年8月1日には主屋、茶室、表門の3棟が各務原市の指定文化財に認定され、さらに2018年8月17日には国の重要文化財（建造物）に指定されました。この法人指定を受けて、定期的に有料の見学会が開催されています。

アクセス

萬松園は、岐阜県各務原市鵜沼宝積町3-82-2に位置しています。アクセス方法としては、JR高山本線の鵜沼駅や名鉄各務原線・犬山線の新鵜沼駅から約2kmの距離にあります。また、各務原市ふれあいバスの東部・南部線を利用し「貞照寺前」バス停で下車後、徒歩で約1分で到着します。

関連項目

• - 貞照寺
• - 川上貞奴

外部リンク

• - 迎賓館サクラヒルズ川上別荘
• - 株式会社創寫舘（結婚式場運営会社）

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