萬海航運

萬海航運（ワンハイこううん）について

萬海航運（Wan Hai Lines Limited）は、台湾に本社を置く国際的な海運会社です。台湾国内では長栄海運、陽明海運に次ぐ3位の規模を誇り、世界全体でも11位にランクインしています。一般的には「ワンハイラインズ」とも呼ばれています。

萬海グループは、海運業だけでなく、製紙、保険、レジャー施設、電子部品など、100社を超える多岐にわたる企業で構成されています。事業の中心は依然としてアジア市場ですが、近年では外航航路の開拓にも力を入れています。

歴史

1965年2月24日、起業家の陳勇と林伯壽によって設立されました。創業当初は、日本と台湾、東南アジアの間で木材輸送を行っていました。

1976年7月、コンテナ輸送への移行が進む中、萬海航運は初のコンテナ船を購入し、台湾から日本へのコンテナ輸送サービスを開始しました。対日貿易の拡大とともに業績を伸ばし、機材の拡充や航路の開拓を進め、基隆港、台中港、高雄港に専用のコンテナターミナルを設置しました。2022年時点では、68の航路と84の寄港地を持つまでに成長しています。

1999年には初の太平洋横断航路を開設し、2002年にはインドに現地法人を設立して紅海航路の開拓に着手しました。2003年には自社船舶を投入して紅海航路を拡大し、東京の大井コンテナふ頭にも専用ターミナルを開設しました。2004年には欧州航路を開設しましたが、後に廃止されています。

2016年第2四半期末時点で、萬海航運は72隻の自社船舶と22隻の傭船を所有し、コンテナ総量は243,000TEUに達し、世界19位の規模でした。また、高雄港、台中港、大井港に複数のターミナルを所有しており、長栄海運、陽明海運と共に台北港を運営し、韓進海運、商船三井と共にベトナムのカイメプ港の運営にも参画しています。

新型コロナウイルスのパンデミックによる世界的なコンテナ不足を機に、萬海航運はトップ10入りを目指して船舶の増強を図りました。2021年には3000TEU型のコンテナ船12隻を発注し、翌年には全て受領しました。世界的な海運費の高騰も追い風となり、2022年6月には連結売上高が253億台湾ドルを記録し、前年比41.45%増という過去3番目に高い成長率を達成しました。

近年の動向

萬海航運は、アジア域内での確固たる地位を築きながら、積極的に外航航路の開拓を進めています。また、環境問題への意識の高まりから、持続可能な海運事業の実現に向けた取り組みも行っています。最新技術の導入や省エネ対策を通じて、環境負荷の低減を図るとともに、サービスの質の向上に努めています。

萬海航運は、今後もグローバルな海運市場において重要な役割を担い続けることが期待されています。

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