落合太郎

落合 太郎（おちあい たろう）

落合太郎は1886年8月13日に東京神田駿河台で誕生し、1969年9月24日に他界した日本の著名なフランス文学者です。位階は正三位。経歴を通じて奈良女子大学の名誉教授として広く認識されています。

幼少期と教育背景

落合は1892年に泰明小学校に入学し、同時期に吉井勇と同級生でした。1899年、肺炎を患う影響で東京府立第一中学校を退学し、以降2年間の療養生活を経て明治学院普通部に編入しました。1903年には第一高等学校の予科に進み、1908年に卒業。その後、東京帝国大学法科大学に入学したものの、数度の休学を経て、京都帝国大学に転学しました。

1912年に赤塚季と結婚し、家督を相続しながら、1913年に同大学を卒業しました。

大学卒業後のキャリア

卒業後は保険会社に勤めましたが、1916年には長男が経営する米問屋「増屋」の総支配人に就任したものの、翌年に倒産し、職を失いました。1918年に童話集『こほろぎと象』を出版した後、フランスに留学。パリでは太宰施門とも交流を深めました。

フランス語・フランス文学研究の道

帰国後、神戸高等商業学校で国際法の講師として教壇に立ち、その後母校の京都大学に移籍しました。1931年には文学部助教授に昇進し、フランス語、フランス文学を専門に指導しました。さらに、1936年には『具体的言語と抽象的言語：言語学的文学論』という学位論文を通じて文学博士号を取得しました。1937年に教授に昇進した際には言語学の教室に異動し、1942年から1946年の間は文学部長として指導を行いました。

その間、彼は太平洋戦争の影響を受け、敗戦後には適格審査に関する業務でも重要な役割を果たしました。

教育機関での活動

1946年には第三高等学校の校長に就任し、その後1949年には奈良学芸大学と奈良女子大学の初代学長に就任しました。その後も両大学での学長職を務め、1975年に奈良女子大学から退任しました。彼の退任後は静岡県伊東市に住まいを構え、1969年に自宅にて生涯を閉じました。

栄典と学問の業績

1965年には叙勲二等授旭日重光章、1969年には正三位を贈られました。彼の研究は主にフランス思想に焦点を当て、特にデカルトやモンテーニュに代表される17世紀のモラリストの思想を探求しました。

家族と著作

落合太郎は父、落合代次郞がジャーナリストであり、妻の赤塚季との結婚生活を送りました。妻の弟である赤塚自得は漆芸家として有名です。彼は『落合太郎著作集』や『ポオル・ヴアレリイ全集』などの著作を残し、文壇に影響を与えました。彼の研究と教育に対する貢献は後の世代に長く語り継がれることでしょう。

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