葉山富之輔

葉山富之輔：長く映画界を支えた脇役俳優

葉山富之輔（はやま とみのすけ、1889年7月31日 - 1958年10月19日）は、日本の俳優として知られています。本名は白米花富三郎（しらはせ とみさぶろう）。京都府京都市で生まれ、旧制高等小学校卒業後は家業を手伝う傍ら、演劇への道を志しました。

角藤定憲に師事し、新派を中心に活動。藤間小次郎一座や帝国キネマ演芸の劇団などに参加し、関西を中心に巡業を重ねました。37歳という比較的遅い年齢で映画界入りを果たします。

1926年2月、日活大将軍撮影所現代劇部に入社。同年11月12日公開の『勇敢なる水兵』で映画デビュー。その後、時代劇部に異動し、多くの剣戟映画に出演するようになります。1942年、日活京都撮影所が戦時統合により大映京都撮影所になると、同社に継続して所属しました。

第二次世界大戦後も大映京都撮影所で活躍を続け、1949年に定年退職。フリーランスとして、引き続き京都を拠点に多くの時代劇作品に出演しました。69歳で引退したとされていますが、引退作品に関しては諸説あり、『日本映画俳優全集・男優編』では『勇み肌千両男』（1958年2月26日公開）を最後に引退したと記述されていますが、同年8月3日公開の『呪いの笛』も出演作品として挙げられるため、定かではありません。

その後、消息不明とされていた葉山ですが、『京都芸術家国民健康保険組合30周年史 第1巻』によると、1958年10月19日に69歳で亡くなったことが明らかになっています。

幅広い役柄と活躍

葉山富之輔のフィルモグラフィーは、日活京都撮影所、大映京都撮影所、そしてフリーランス時代と非常に多岐に渡ります。そのキャリアにおいて、彼は数多くの作品で重要な脇役として活躍しました。農民や町人、侍、老人など、幅広い役柄を演じ分け、時代劇作品を中心に日本の映画史に貢献したと言えるでしょう。

彼の出演作品の中には、現在でも東京国立近代美術館フィルムセンターなどに所蔵されている作品も存在します。しかし、特に1940年代以前の作品については、現存するフィルムは少ないとされています。

豊富な出演作品

日活時代から大映時代、そしてフリーランス時代と、彼の出演作品は膨大です。以下に主な出演作品を列挙しますが、このリストには全てを網羅しているわけではありません。

日活京都撮影所

『勇敢なる水兵』(1926)
『拳骨先生』(1927)
『浮世車』(1927)
『熱血児』(1927)
『建国史 尊王攘夷』(1927)
『魔の沼』(1927)
『老校長』(1927)
『二階の大将』(1927)
『天惠』(1928)
その他多数

大映京都撮影所

『維新の曲』(1942)
『独眼龍政宗』(1942)
『伊賀の水月』(1942)
『二刀流開眼』(1943)
『無法松の一生』(1943)
その他多数

フリーランス時代

* 様々な製作会社、配給会社の作品に出演

これらの作品は、時代劇から現代劇まで、幅広いジャンルに及び、葉山富之輔の演技力の高さと、映画界における重要な貢献を示しています。

まとめ

葉山富之輔は、長年に渡り日本の映画界を支えた名脇役俳優でした。数多くの作品に出演し、時代劇を中心に日本の映画史に大きな足跡を残しました。晩年はフリーランスとして活躍し続け、69歳で亡くなるまで映画界に貢献しました。彼の功績は、これからも忘れられることなく、日本の映画史に刻まれ続けるでしょう。彼の出演作品は、日本の映画史を知る上で貴重な資料となっています。

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