葛西橋

葛西橋の詳細情報

葛西橋（かさいばし）は東京都江東区と江戸川区を結ぶ橋で、荒川（荒川放水路）と中川に架かっています。東砂と西葛西の間を繋ぐ、東京都道10号東京浦安線および東京都道475号永代葛西橋線に位置し、橋自身の歴史も興味深いものです。かつては、葛西地区から江東区へ行くための主要な交通路として機能しており、頻繁に交通渋滞が発生していましたが、1996年に荒川河口橋が開通したことで、その混雑は緩和されています。

橋の概要

葛西橋は荒川の河口からおおよそ1.2キロメートルの地点に位置し、右側は江東区東砂六丁目、左側は江戸川区西葛西二丁目にあたります。この橋は1963年に完成し、全長727.4メートル、幅15メートルです。最大支間長は142メートルに達する鋼カンチレバー吊補剛桁橋であるため、構造的には吊橋に見えますが、実際には桁橋の一種とされています。

歩道は両側に設置されており、幅は2メートルです。橋のデザインには、首都高速中央環状線をアンダークロスする部分に降りられるスロープがあり、これは荒川・中川間の中堤へアクセスできるようになっています。この中堤は長さ10.9メートル、幅15メートル（車道11メートル、歩道2メートル×2）です。また、橋の前後には高架道路が設けられています。

歴史と建設

葛西橋の建設は1959年に始まり、1960年に起工式が行われました。設計には美観が考慮され、世界初の突桁吊補剛桁式の上部工が採用されました。施工は、横河橋梁が主径間の製作と架設を担当し、他の会社と協力して側径間や高架橋の製作を行いました。1963年には竣工し、同年の10月7日に開通式が挙行されました。

当時、葛西橋は都内で最長の橋であり、橋の基礎は日本で最も深い47メートルだったことでも注目されました。

開通後の影響

葛西橋が開通する以前は、両詰の交差点で約3.45キロメートルほどの渋滞が発生していました。しかし、荒川河口橋が開通したことにより、渋滞は大幅に改善され、交通量も減少しました。開通後の交通量は53500台に達し、開通前と比較して16.5%減少しました。

旧葛西橋

現在の葛西橋が架かる以前には、旧葛西橋と呼ばれる橋が存在していました。この橋は1928年に開通し、木橋脚で鉄製の桁を持つRC床版のものでした。しかし、老朽化によって1950年に崩落事故を引き起こし、その後復旧されたものの、自動車の通行は禁止され、仮設の人道橋として利用されていました。1963年には新しい橋に取って代わられ、現在ではその跡地が史跡として指定されています。

周辺の施設

葛西橋の周囲には、江東区立学校や公園、消防署などが点在しています。また、水質測定計画の一環として、東京都および国土交通省が水質測定を行う地点でもあります。現在では地域の交通を支えるだけでなく、その歴史的価値も併せ持つ重要な橋として、多くの人々に利用されています。

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