興城市

興城市について

興城市（こうじょう-し）は、中華人民共和国遼寧省の葫芦島市に属する県級市です。興城市は歴史的な背景を背負い、文化的な魅力がある地域として知られています。

歴史的背景

興城市の前身は、遼代に設置された興城県です。元代には一時廃止されましたが、明代になると、遼東都指揮使司の下に寧遠衛が設置されました。この地は山海関の外郭として、辺境を守る重要な位置を占めていました。明末には、当時の薊遼総督である袁崇煥が城壁を築き、ポルトガル製の大砲である紅夷砲を配置しました。これにより、後金に備えた防御体制が確立されました。

1626年の天啓6年正月に、明軍は石川県に迫ってきたヌルハチの軍を撃退しました（この戦いは「寧遠の戦い」として知られています）。ヌルハチはこの戦いで負傷し、後に亡くなりました。清代には寧遠州と名称が変更されましたが、中華民国の成立後、1913年に寧遠県に改称され、その翌年には興城県に再び改名されました。1986年12月には興城市に昇格し、現在に至ります。

寧遠州城

興城市の中心部には、明代と清代の歴史的遺産、寧遠州城があります。現存する内城は、修復されて今も使用されており、明代の城郭の中でも保存状態が良好な一ではありません。内城の形はほぼ正方形で、城壁の南北は825.5メートル、東西は803.7メートル、高さは10.1メートルです。城には、4つの門（東門・春和門、西門・永寧門、南門・延輝門、北門・威遠門）があり、各門には半円形の甕城が設置されています。これらの門の上には二層の楼閣も備えられています。城の四隅には砲台が設けられ、内部には十字型に大通りが通っています。十字路の中心には、高さ17メートルの三層構造の鼓楼があり、日常的には時を知らせる役目を果たしていましたが、戦時には進軍の合図として打ち鳴らされたそうです。

観光名所

1988年、興城には「興城海浜風景名勝区」が国家級の風景名勝区として認定されました。この区域は興城古城、興城温泉、興城海水浴場、首山、菊花島の5つの観光スポットで構成されています。自然の美しい風景と歴史的建造物が融合した魅力的なエリアです。

行政区分

興城市は、9つの街道弁事処、3つの鎮、4つの民族鎮、12の民族郷から成り立っています。主な街道弁事所には、古城街道、寧遠街道、温泉街道などが含まれ、鎮には曹荘鎮や徐大堡鎮が存在します。また、民族鎮には満族に関連する鎮が多く、地域の文化的多様性を象徴しています。興城市は、その魅力あふれる歴史と自然、そして豊かな文化が共存している場所です。

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