錦州市

錦州市について

錦州市（きんしゅう-し）は中華人民共和国遼寧省の地級市として知られ、地理的には遼南部、小凌河の河口に位置しています。その周囲には盤錦市や葫蘆島市、さらに渤海の遼東湾が広がっており、自然環境に恵まれた地域です。錦州市の北側には朝陽市や阜新市と接し、交通の要所ともなっています。

行政区画

錦州市は3つの市轄区と2つの県級市、さらに2つの県を管理しています。具体的には、太和区、古塔区、凌河区の3つの市轄区と、凌海市、北鎮市という2つの県級市、そして義県と黒山県があります。これらの行政単位は、地域の発展や管理を効率的に行うためのものです。

歴史的背景

紀元前には「徒河」と呼ばれ、秦の統一後には遼東郡に属しました。漢の時代には昌黎郡、晋代には平州昌黎郡がこの地にありました。北魏や唐代にかけて地域の管轄は変わり、遼代の中京道へと続きました。明代には、後金との攻防が繰り広げられ、清代には錦州府が設置されました。

民国時代には、奉天省遼瀋道の一部としての扱いを受け、特に満州国成立後は新設された錦州省に移管されました。1949年には共産党が錦州市を設置し、その後数回の行政区画の変更を経て、1968年には市制を施行して今日の錦州市が誕生しました。

観光スポット

錦州市は観光地としても魅力的です。遼瀋戦役記念館は、共産党軍が国民党軍に勝利した歴史的な場所で、多くの観光客が訪れます。また、西南海岸にある筆架山島は、引き潮の際に渡れる道があることで知られ「天橋」とも呼ばれています。

さらに、北鎮市には東北の名山、医巫閭山があり、自然保護区として大切にされています。義県には万佛堂石窟があり、ここは中国北部の石窟造像芸術の宝庫です。大広済寺の遼塔や北鎮廟崇興寺の双塔、その他多くの歴史ある場所が点在しています。

文化と教育

また、錦州市は1990年代のベストセラー『ワイルド・スワン』の舞台としても知られています。教育機関としては、渤海大学や遼寧工業大学、遼寧医学院などがあり、地域の教育レベルの向上に寄与しています。

提携都市

錦州市は日本の富山県高岡市と友好都市として1985年に提携しています。国を越えた文化交流が行われていることも、地域の特色の一つです。

錦州市は、現在も歴史的背景と自然美を兼ね備えた町として多くの人々に愛されています。

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