蒙宝線

蒙宝線

蒙宝線は、雲南省の蒙自駅から石屏駅を結ぶ鉄道です。その前身は、中国初の私鉄として建設された箇碧鉄道に遡ります。

歴史

1915年、箇旧市の有志が、当時中国最大の錫の産出地であった箇旧からの錫の輸送を目的として、昆河線の碧色寨駅から箇旧駅までの鉄道建設に着手しました。この鉄道は「箇碧鉄道」と名付けられました。

1918年には碧色寨駅と鶏街駅の間が開通し、1921年には鶏街駅と箇旧駅の間も開通して全線が開業しました。当初、この鉄道は610mm（2フィート）のナローゲージで建設されました。その後、1922年には鶏街駅から建水駅間の建設が始まり、1928年に開通。さらに1931年には建水駅から石屏駅間の建設が始まり、1936年に開通し、この時点で「箇碧石鉄道」と改称されました。

1957年、中国共産党によって接収・国有化されました。1959年にはメーターゲージの草官線が建設され、昆河線と雨過舗駅で接続されました。1960年から1962年にかけて、碧色寨駅と蒙自駅間のレールが撤去されます。

1965年、「箇碧石鉄道」は「蒙宝線」と改称され、さらに宝秀駅まで延伸されました。1967年から1969年にかけては、箇旧～鶏街間の33.9km（鶏箇支線）を除く区間がメーターゲージに改軌する計画が策定されました。この改軌工事は1970年1月に開始され、同年10月1日に完成し、昆河線との乗り入れが可能になりました。改軌には昆一線の廃線に伴い不要となったレールが利用されました。

最後まで610mmナローゲージで残っていた鶏箇支線は、1991年に運転が停止され、2008年に廃止・撤去されました。

路線概要

蒙宝線は、かつての箇碧鉄道の路線を基盤としており、ナローゲージからメーターゲージへの改軌を経て、現在は標準的な鉄道として機能しています。この鉄道は、雲南省の経済発展と人々の移動を支える重要な役割を果たしています。

特徴

歴史的背景: 中国初の私鉄として建設された歴史を持ち、初期の鉄道技術や中国の鉄道史を語る上で重要な存在です。
ゲージ変更: ナローゲージからメーターゲージへの変更という、鉄道の近代化過程における重要な転換点を示しています。
錫輸送: 当初、錫の輸送を主目的として建設された経緯があり、地域の産業発展に大きく貢献しました。

参考文献

《雲南省誌 巻三十四 鉄道誌》 第一章 鉄路修建 第二節 蒙宝鉄路

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