昆河線

昆河線

昆河線は、中国雲南省昆明市の昆明北駅から、同省河口ヤオ族自治県の河口駅までを結ぶ、全長469kmのメーターゲージ（軌間1,000mm）の鉄道路線です。旧称は滇越鉄道（てんえつてつどう）で、かつてはベトナムのハノイまでを結ぶ国際路線でした。この路線は、その建設の難しさ、歴史的な背景、そして沿線の美しい景観から、多くの人々に知られています。

概要

1910年3月31日に、昆明とハノイを結ぶ「滇越鉄道」として開通しました。総延長は855km、高度差は1,807mにもおよび、数多くの橋梁やトンネルが建設されました。この難工事には6万人が従事し、開通までに12,000人もの犠牲者が出たと言われています。1966年まで、この鉄道は雲南省と省外を結ぶ唯一の鉄道であり、当時は国内と鉄道で結ばれていないにも関わらず、国外とは鉄道で繋がっているという珍しい状況から、雲南十八怪の一つに数えられていました。

2019年現在、一部の貨物輸送を除き、中国国内で唯一のメーターゲージ路線となっています。始発駅は昆明市北部の昆明北駅です。沿線は紅河（ソンコイ川）とその支流である南渓河の渓谷に沿っており、風光明媚な景色が広がります。

かつては旅客列車も運行しており、毎週2便がラオカイ（老街）の国境を越え、ベトナム鉄道のハノイ・ラオカイ線（河老線）を経由してハノイまで直通していました。しかし、沿線の崩落の危険性などから、2003年以降は貨物輸送のみとなっています。2017年末からは、雲南省開遠市とベトナムのハイフォンを結ぶ貨物列車が運行されています。

接続路線

昆明北駅：昆石線、昆明軌道交通2号線
黒土凹駅：昆小線
草壩駅：草官線
碧色寨駅：箇碧石鉄道（1962年までに接続廃止）
河口駅：ベトナム国鉄ハノイ・ラオカイ線（河老線）

沿革

1898年4月：インドシナ銀行が滇越鉄道（雲南省部分）の測量を開始
1903年：建設工事が開始
1905年：滇越鉄道のベトナム側（389km）が開通
1910年1月：滇越鉄道が全線開通。建設費は1億6550万フランと言われている。
1940年～1942年：日中戦争時、国民政府は日本軍の侵攻を恐れ、碧色寨～河口間を破壊。
1957年：復旧工事が完了。
1979年：中越戦争により、両国を結ぶ国際列車が運休。
1996年：国際列車の運行が再開。
2003年6月1日：昆明北～王家営間を除き、旅客列車が運休。
2014年：昆玉河線の開通に伴い、河口駅と河口北駅を結ぶ区間がメーターゲージから標準軌に改軌。

駅一覧

（駅一覧は省略）

支線

昆河線には、以下のメーターゲージの支線があります。

昆石支線: かつての滇緬線。昆明北駅から西に向かい、麻園駅を経由して石砠駅に通じる12.9kmの支線。
昆小支線: かつての叙昆線。昆河線の黒土凹駅で分岐し、小石壩駅に至る支線。
蒙宝支線: かつての箇碧石鉄道。昆河線の草壩駅で分岐し、蒙自駅および宝秀駅に至る支線。

脚注

（脚注は省略）

関連項目

アジア横断[[鉄道]]
昆玉河線
* ベトナムの鉄道

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