蒲田忠武

蒲田 忠武について

蒲田忠武（かまた ただたけ）は、室町時代に活躍した日本の武将であり、江戸蒲田氏の初代の当主である。彼は江戸氏12代当主の江戸長門の次男、江戸正長の子供として生まれ、道秀、妙清、道景といった息子たちを持った。

忠武は、南北朝時代に江戸氏が領地としていた蒲田郷を受け継ぎ、初めて蒲田氏を興した人物として知られている。彼の兄弟には、江戸氏の重道がいて、こちらも蒲田入道を称していたことが記録に残されている。これによって、江戸氏のうちでも特に蒲田に焦点を当てた氏族の一部が形成されたことが窺える。

重要な歴史的出来事

延文3年（西暦1358年）、忠武は江戸長門の指導のもとで、鎌倉を目指して挙兵した新田義興に対抗するために参戦した。この時、忠武は謀略を巡らせ、矢口渡で新田義興を暗殺するという重要な役割を果たした。この事件はその後の関東地方における権力構造に大きな影響を与えたと考えられている。

さらに、至徳元年（1384年）には江戸長門が得た恩賞地としての稲毛庄渋口郷に関して、江戸正長や忠武がその引き渡しを妨害する事態が発生した。こうした動きから、忠武が稲毛方面へ進出したことが伺える。また、彼は大慈恩寺領である大杜郷や永富郷といった土地を蒲田家の有する由緒ある土地として押領し、足利満兼から不当な行為を止めるよう命じられることになった。

蒲田氏の記録

「平賀本土寺過去帳」には、蒲田忠武の記載があり、彼の没年月日と共に「道儀」らしき名義が記されている。忠武はその後、「蒲田殿」とも称され、日蓮宗の寺である妙典寺の創立に関与したことが確認されている。この寺は、忠武が平賀本土寺の六世日蝕を迎えて開創したものであり、彼の名が現代まで語り継がれる一因となっている。

結論

蒲田忠武は、歴史的に見ても重要な役割を果たした武将であり、その行動や決断は当時の政治情勢に直接的な影響を与えた。彼の名前は蒲田氏の成り立ちや地域の歴史と深く結びついており、江戸氏との関わりも注目すべき点である。これからも彼に関する研究が進むことを期待したい。

参考文献

• - 角川日本地名大辞典13東京都
• - 江戸氏の研究 関東武士研究叢書〈第1巻〉 萩原竜夫著

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