足利満兼

足利 満兼の生涯

足利満兼（あしかが みつかね）は、室町時代の武将で、鎌倉公方を務めた人物です。彼は第2代鎌倉公方・足利氏満の長男として生まれ、元服の際には第3代将軍・足利義満から偏諱を賜り、「満兼」という名を名乗るようになりました。彼の公方としての在任期間は、応永5年（1398年）から応永16年（1409年）までの約11年間です。

政治的環境と反乱

足利満兼の時代は、鎌倉公方と京都の将軍家との緊張関係が続いていました。特に応永6年（1399年）には、大内義弘が挙兵し、「応永の乱」を引き起こしました。この際、満兼は義弘に同調し、鎌倉を出発して武蔵府中へと進軍しました。しかし、関東管領である上杉憲定の諫止を受け、最終的には進軍を断念せざるを得ませんでした。義弘が敗死したことを受けて、満兼は翌年の春に鎌倉へと帰還し、幕府への恭順を示すために伊豆の三島神社に願文を提出しました。

奥州の問題と内紛

また、同じく応永6年の春には、満兼の弟・満直と満貞をそれぞれ篠川御所と稲村御所に配し、陸奥や出羽の支配を強化しました。しかしこの動きは奥州の豪族たちから反感を買い、応永9年（1402年）には伊達政宗の反乱が勃発しました。この反乱は、上杉氏憲（後の上杉禅秀）によって鎮圧されました。なお、この時期、京都では満兼が精神的な混乱に陥っているとの噂も立ち、義満が彼の調伏に乗り出すなど、二人の間には再び亀裂が生じていたようです。

災難と最期

応永14年（1407年）には、鎌倉御所が炎上するという事態が発生しました。しかし、満兼は迅速に再建を果たしました。その後、彼は応永16年の7月22日に32歳で亡くなりました。彼の死後は、長男の持氏がその跡を継ぎました。また、満兼の重病を知った新田貞方が挙兵を試みたものの、捕えられ、満兼が亡くなった日に処刑されたという逸話も残っています。

官職について

足利満兼の官職については、応永5年（1398年）12月に従四位下に叙爵され、左兵衛佐に任官しました。その後、左馬頭に遷任し、さらに左兵衛督に転任したとされています。

彼に偏諱を受けた人物

満兼の名に影響を与えた人物には、千葉兼胤、長井兼広（長井氏の人物であり、長井挙冬の曾孫）、簗田満助などがいます。

関連文献

足利満兼に関する詳細は、田辺久子の著書「関東公方足利氏四代 基氏・氏満・満兼・持氏」などで見ることができます。また、人物叢書や人名事典なども参考になる資料です。歴史的な背景と彼の業績を深く知る上で有益な情報が多数掲載されています。

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