蓮華寺 (三好市)

蓮華寺について

蓮華寺（れんげじ）は、徳島県三好市池田町ハヤシにある真言宗御室派の寺院で、山号は七宝山とされています。本尊には十一面観音が祀られており、新四国曼荼羅霊場の64番札所としても知られています。また、阿波西国三十三観音霊場の18番札所でもあり、四国阿波八供養菩薩霊場の金剛華菩薩も併せて崇められています。

ご詠歌

蓮華寺のご詠歌は「観音の　ふかき心を　おもいつつ　はちすの寺に　今日も来にけり」となっており、訪れる人々が観音様の深い慈愛を感じながら参拝する様子を詠み込んでいます。

歴史

歴史を遡ると、伝承によればこの寺は天平年間（729年-748年）に行基が巡錫の際に建立したとされています。南山の山腹に存在する小池で蓮が咲いているのを目にした行基は、その地を聖地とし、一仏を刻んだ草堂を建てたことが蓮華寺の始まりと伝えられています。中世に入ると、池田城代の中村美作守によって本堂が建立され、その後は江戸幕末まで中村家の外護を受けてきました。

境内の構成

蓮華寺の境内には、いくつかの重要な建築物や文化財があります。まず、山門（多宝門）が訪れる人を出迎え、その先には本堂（大悲殿）が佇んでいます。本堂の背後には収蔵庫があり、寺院の歴史を物語るさまざまな品々が保管されています。また、客殿や美しい庭園、鐘楼も境内にはあります。

さらに、山門の上には歌碑が設置されており、そこには前田透の歌「讃えつつみ　やまを越えて　尋めゆけば　はちすが池に　ひかりなずさふ」が刻まれています。この歌は、自然の美しさを感じつつ、蓮華寺を訪れる喜びを表現しています。

文化財

蓮華寺には、徳島県に指定された有形文化財も存在します。その中でも特に重要なのが、木造十一面観音立像です。この像は一木造りで、平安時代後期に作られたものであり、1954年（昭和29年）には文化財として指定されました。この十一面観音立像は、訪れる人々に深い感動を与えており、多くの信仰を集めています。

交通アクセス

蓮華寺を訪れる際の交通手段としては、四国旅客鉄道（JR四国）の土讃線阿波池田駅から車で約7分の距離に位置しています。自然に包まれた神聖な場所で、訪れる人々に心の安らぎを提供しています。

蓮華寺は、歴史的な背景や文化財、そして美しい自然に囲まれた貴重なスポットとして、多くの人々に愛され続けている寺院です。

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