蔦田二雄

蔦田二雄についての詳細

蔦田二雄（つただ つぎお）は、1906年3月19日に英国領シンガポールにて、歯科医師の父・蔦田顕理のもとに生まれました。彼の初期の信仰は、メソジスト監督教会に基づき、行いによって神に受け入れられることを重視していました。しかし、人生の転機はロンドン留学中に訪れます。

幼少期とロンドン留学

シンガポールでの生活を経て、蔦田は日本に戻り、岡山県で青年時代を過ごします。その後、ロンドン大学に留学し、外交官を目指していましたが、船上での出会いが彼の人生を一変させます。オーウェン・ガントレットとの出会いにより、ヨハネ6章47節「信じる者は永遠のいのちを持ちます」という言葉に触れ、キリストにあって新しい命を得る新生の経験をしました。

福音の役者としての道

新生の経験を経て、蔦田はもはや外交官を目指さず、神の福音を伝える使命感に満ち、日本に帰国します。日本ホーリネス教会での教役者としての活動を始め、柏木聖書学院で学び、日本橋教会で牧会しました。しかし、1942年には東条英機内閣の宗教弾圧に遭い、巣鴨刑務所での独房生活を余儀なくされます。

牢獄での信仰の深化

独房生活の中で、彼は「すべてが奪われても、神の臨在は奪われない」という信仰の確信を得ました。この信仰を基にして、将来的には「インマヌエル」の名のもとで新しい伝道の働きを始めることを決意しました。

イムマヌエル綜合伝道団の創設

1945年に巣鴨プリズンから釈放された蔦田は、同年10月21日に他のクリスチャンと共に「イムマヌエル綜合伝道団」を設立しました。戦後の社会に対応し、最初は千葉県船橋市に医務部を設け、その後、伝道部を設置しました。

1946年には、イムマヌエル綜合伝道団の第1次年会が開催され、さらには1949年にイムマヌエル聖宣神学院が設立され、蔦田は初代院長に就任しました。これにより、彼は日本の福音主義団体の統一と協力を推進する重要な役割を担うことになります。

教会間の協力の推進

蔦田二雄は、イムマヌエル綜合伝道団の総理（代表）として、日本のプロテスタント教会間の協力を促進しました。彼は日本プロテスタント聖書信仰同盟の結成や、日本福音同盟の設立にも尽力し、また国際的な伝道集会であるビリー・グラハム国際大会の実行委員長も務めました。

世界宣教への取り組み

1960年代には、彼は日本の教会において世界宣教への早期の取り組みを推進し、イムマヌエル聖宣神学院の卒業生を海外へ宣教留学生や宣教師として派遣しました。これにより、日本のクリスチャンコミュニティにおける国際的な宣教活動を活性化させることに貢献しました。

主な著作

蔦田はその知識と経験をもとに多数の著作を残しました。「18世紀英国の危機とウェスレーの宗教運動」や「聖潔の生涯」など著名な書籍が含まれ、これらは特にキリスト教の教義に関する教えを広めるために重要な役割を果たしました。

結論

1971年7月25日に亡くなるまで、蔦田二雄は日本のキリスト教界における影響力ある人物であり続けました。彼の信仰と努めは今もなお、多くの信者たちに引き継がれています。

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