薩南諸島

薩南諸島の概要

薩南諸島（さつなんしょとう）は、鹿児島県に位置し、南西諸島の重要な部分を占める島々の総称です。具体的には、北側の種子島から南側の与論島まで広がっており、大隅諸島、吐噶喇列島、奄美群島（奄美諸島）が含まれます。さらに、草垣群島や宇治群島も時には含まれることがあります。この地域は、その地理的な位置から多様な文化と歴史を持ち合わせており、独特の特徴を形成しています。

奄美群島と琉球王国

薩南諸島の中で特に注目すべきは南部に位置する奄美群島です。この群島は15世紀から琉球王国に取り込まれましたが、それ以前は各島に島之主が存在し、独立した生活を営んでいました。その歴史の中で、17世紀初頭に琉球による侵攻があり、最終的には1879年（明治12年）に大隅国に編入され、大島郡が成立しました。

薩南諸島の北部

さらに北部の島々は、熊毛郡に属する種子島や屋久島と、鹿児島郡の三島村や十島村に分かれます。熊毛郡の種子島と屋久島には、701年に多禰国（多褹国）が設置されたものの、824年には廃止されて大隅国に編入されました。12世紀後半には、これらの島は薩摩国に移管され、地域の統治が変化していきました。

文化の異質性

竹島、硫黄島、黒島などの島々、及びトカラ列島は、古代から中世にかけて日本の西の境界として認識されていました。それぞれの島々には文化や制度において違いが見られ、明治時代にはこれらはともに十島村と称されましたが、1952年（昭和27年）には竹島や硫黄島が分離され、三島村となりました。

口五島と奥七島

歴史的にみると、竹島、硫黄島、黒島等の島々は「口五島」、トカラ列島の島々は「奥七島」として区分されていました。この区分は、黒潮の流れによって形成されたとされます。奥七島の構成は比較的一定で、口之島や中之島などの七つの島々から成ります。

口五島に関しては、竹島、硫黄島、黒島に加えられる二つの島に関して意見が分かれています。屋久島や口永良部島を加えるとする見方や、草垣群島や宇治群島を含める説があります。また、古文献『種子島家譜』には多祢島を含む記述があり、これが口五島に関連していると考えられています。

結論

薩南諸島はその地理的、歴史的背景から、島々ごとの独自の文化と制度を持つ興味深い地域です。琉球王国との関係や、地域内での文化的な多様性は、現在でもその影響を残し、はっきりとした地域の特色を形成しています。それぞれの島の歴史を知ることで、薩南諸島全体の理解が深まることでしょう。

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