藤原嘉文

藤原 嘉文

藤原 嘉文（ふじわら よしふみ、1956年5月5日 - ）は、日本の作曲家であり、教育者です。現代音楽の分野で活躍し、幅広い編成で作品を発表しています。

人物とキャリア

1956年に大阪府大阪市で生まれました。音楽を深く学ぶため上京し、1981年に東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業しました。さらに学びを深めるため同大学院に進学し、1984年に修了しています。

作曲においては、石桁真礼生、浦田健次郎、末吉保雄、丸田昭三といった優れた作曲家たちに師事し、特に日本現代音楽界の重鎮である黛敏郎からも指導を受けました。これらの経験が、藤原嘉文の音楽言語の形成に大きな影響を与えています。また、作曲活動に不可欠なピアノの研鑽も積んでおり、下村和子、矢代秋雄、堀江孝子といった高名なピアニストたちに師事しました。

作曲家としての実力は国内外で認められています。日本交響楽振興財団が主催する作曲賞の第4回において入選を果たし、注目を集めました。さらに国際舞台でも作品は高く評価されており、イタリアで行われたHaydn Association Abruzzo Giubileo 2000 国際コンペティションや、オーストラリアのメルボルンで開催されたFMW 2001などで入選の栄誉に輝いています。これらの受賞歴は、彼の作品が持つ普遍性と現代的な感性が国際的に通用することを示しています。

教育者としての活動も精力的に行っています。これまでに相愛大学で非常勤講師として教鞭をとった経験があり、その後は山梨大学教育人間科学部の教授として長年勤め、多くの学生を指導しました。現在も昭和音楽大学で非常勤講師を務めるなど、教育現場での貢献は続いています。さらに、山梨大学教育学部附属中学校の校長も務めるなど、音楽教育の枠を超えた教育全般に携わっています。

日本の音楽文化の発展にも深く関わっており、様々な音楽関連団体で重要な役割を担っています。具体的には、日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、日本音楽表現学会の各会員として、現代音楽の振興や作曲家の地位向上に貢献しています。また、(財)ヤマハ音楽振興会や(財)音楽文化創造といった音楽教育・文化振興を行う財団法人の評議員としても活動し、音楽文化の創造と普及に尽力しています。

主な作品

藤原嘉文は、オーケストラから室内楽、独奏曲に至るまで、多様な編成の作品を手がけています。代表的な作品には以下のようなものがあります。

『巡りあう時空』：ピアノとオーケストラのための協奏曲
電子オルガンのための『メタモルフォシスIII』
オーケストラの為の『メタモルフォシスIV』
オルガンとオーケストラの為の『シンフォニア』
『VISION』：ピアノのための独奏曲
『メタモルフォシスIV』：2台のピアノのための作品
『舞』：3本のフルートのための室内楽曲
『謡歌（わざうた）』
『ドン・キホーテ』
『ピエロ』
* 『夢・魔王』

これらの作品群は、彼の幅広い関心と表現の多様性を示しており、現代音楽における重要なレパートリーとなっています。

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