藤堂 高悠(とうどう たかなが)
藤堂高悠は、伊勢
津藩の第8代藩主であり、藤堂家の宗家8代目にあたります。彼の生涯は
1751年に始まり、当時の
江戸卯原で誕生しました。初めは高丘という名で知られていましたが、その後、養子制度によって家業を継ぐ運命を負うこととなります。
生い立ちと背景
藤堂高悠の父は藤堂高朗で、先代藩主である高治の長男、高般の養嗣子として迎えられました。そのため、高悠は生まれながらにして非常に特異な立場にいたと言えます。
宝暦2年の8月23日には高般の養子となり、驚くことにわずか二年後の
宝暦4年に高般が亡くなると、彼の家督を引き継ぐことになります。つまり、彼は幼いころから非常に重要な役割を担うことになったのです。
官職とその影響
明和3年(
1766年)には、将軍
徳川家治に
御目見するという名誉を受け、同年の12月19日には
従四位下に昇進し、大学頭に叙任されました。このような出世は高悠の政治的な能力の証明とも言えるでしょう。その翌年、
明和6年(
1769年)には父親の隠居に伴い家督を相続し、和泉守に改名。さらに
侍従に任官されるなど、彼の地位は次第に確立されていきました。
勤皇の志
高悠は勤皇に対する強い意志を持っており、特に
佐賀藩との協力関係を築き、
仙洞御所の普請役を務めるなど積極的な行動をとりました。しかし、彼のこのような行動は藩の財政に深刻な影響を及ぼし、藩の経済状況をさらに厳しくさせてしまったという面も否めません。
短い生涯とその後
高悠は病弱であったことも相まって、
明和7年(
1770年)の閏6月2日に20歳という若さで命を落としてしまいます。これにより、藤堂家は彼に嗣子がなかったため実兄の高嶷が家督を継ぐことになりました。若くして藩主という責任を全うできなかった高悠の生涯は、ある意味で悲劇的でもあります。
系譜
彼の家系は非常に複雑で、父は藤堂高朗、母は
安藤信友の養女でありさらに安藤信周の血を引いています。また正室は無く、兄弟の中で兄にあたる
藤堂高嶷を養子として迎えています。高悠の短い生涯にもかかわらず、彼が遺したものは多く、なおかつ争いや困難を乗り越えたその生きざまは、藤堂家の歴史の中でも重要な位置を占めています。