藤川三之助

藤川三之助について

藤川三之助（ふじかわ さんのすけ、1884年3月21日 - 没年不詳）は、日本の映画俳優であり、特に大正から昭和初期にかけて活躍しました。彼の本名は平田三彌（ひらた さんや）であり、神奈川県横浜市に生まれました。

人物・来歴

彼は1884年、当時は横浜区尾上町にあたる場所で出生しました。旧制中学校に就学しましたが、学業を途切れさせ、三井物産の郵船部門に従事しました。その後、俳優の道に進むために、新派劇団に参加し、各地を巡業しました。

1911年に映画俳優としてのキャリアを開始し、福宝堂が設立した撮影所に所属しました。翌年には、この会社が他社と合併して日本活動写真株式会社（通称日活）となり、藤川はこの新しい撮影所での活動を続けました。彼はしばらく女形として出演しましたが、その後男役に転向する決断をしました。

1922年、藤川は当時の中心人物たちと共に大規模な退社事件に巻き込まれ、国際活映に移籍しました。国活に在籍中、彼は多くの作品に貢献しましたが、1923年には事業の停止を受けて退社し、その後マキノ映画製作所に転職しました。

マキノ映画製作所では、衣笠貞之助の監督作品などに出演し、特に大正期の日本映画界で重要な役割を果たしました。また、1924年には等持院撮影所が東亜キネマに吸収されると、更なる作品に参加することになりました。1925年には、東京に戻り、タカマツ・アズマプロダクションに加入します。

1927年から1929年にかけて彼のキャリアの中で特に注目を集めましたが、以降はあまり活動が記録されていません。同時期に、別人である藤川三之祐も映画界に参入しているため、多くの資料で混同されている部分もあります。

フィルモグラフィ

藤川三之助のフィルモグラフィは多岐にわたります。彼の出演作品には以下のようなものが含まれます：

• - 『悲劇百合子 前篇』 - 1913年10月製作
• - 『侠芸者』 - 1916年8月15日公開
• - 『みだれ菊』 - 1916年9月25日公開
• - 『毒草』 - 1917年3月11日公開
• - 『乳姉妹』 - 1918年5月17日公開

特に、サイレント映画時代の作品が中心となり、彼が出演した多くの作品が現在もフィルムセンターに所蔵されています。彼の多くの作品は今も鑑賞可能ですが、1940年代以前のものは多くが現存していないことが知られています。

参考文献と関連項目

藤川三之助に関する文献や資料も多く存在し、映画史の中で彼の活動は重要な位置を占めています。日本映画の発展にも多大な影響を与えた俳優であり、今後も彼の作品に触れることは、日本の映画文化を理解する一助となるでしょう。

もう一度検索