藤沢市立湘洋中学校

藤沢市立湘洋中学校（ふじさわしりつ しょうようちゅうがっこう）は、神奈川県藤沢市の南部に位置する公立中学校です。湘南の海岸線に沿った、国道134号線に近い素晴らしいロケーションにあり、校舎からは相模湾、江ノ島、富士山、箱根、伊豆、丹沢といった壮大な眺めを楽しむことができます。住所は辻堂東海岸ですが、東側の敷地は鵠沼海岸に近接しています。

本校の大きな特徴の一つは、藤沢市内でも特に広大な校庭を持つことです。この恵まれた環境を最大限に活かし、部活動が非常に盛んに行われています。運動部・文化部ともに多様な活動があり、多くの生徒が熱心に参加しています。こうした活発な学校生活や教育への取り組みが評価され、湘洋中学校は保護者からの人気が高く、県内でも注目される学校の一つとされています。主に藤沢市立辻堂小学校、鵠南小学校、鵠洋小学校を卒業した生徒が進学します。学校の教育システムとしては、2005年度より2学期制が導入されています。

湘洋中学校の歴史は1956年（昭和31年）に始まりました。旧電気通信大学の施設を改修して開校が決定され、その後、鉄筋校舎の増築や体育館の建設など、施設の整備が段階的に進められました。1959年には校歌が制定され、1971年には完全給食が始まりましたが、数年後に廃止されています。1973年には、生徒数増加に伴い藤沢市立高浜中学校が本校から分離・開校しました。学校の節目としては、2006年に創立50周年を迎えています。近年では、2017年に新しい南棟校舎が完成し、教育環境の更なる充実が図られました。2019年には一部トイレの改修や、希望者を対象としたデリバリー式給食の導入も行われています。

学校施設は、既存校舎と新しい南棟校舎から構成されています。教室は両校舎に配置されており、多くの普通教室や特別教室にはエアコンが設置され、快適な学習環境が提供されています。南棟は4階建てで、多目的室や少人数教室、備蓄倉庫などが配置されており、エレベーターも備わっています。特別教室としては、複数の理科室、音楽室、家庭科室、技術科室、美術室のほか、パソコン室、視聴覚室、放送室、図書室などがあります。パソコン室には新しいデスクトップ型パソコンが整備され、ICT教育に対応しています。体育施設は、広大な校庭のほか、独立したテニスコート2面や屋外の球技コートがあり、様々な運動に対応しています。

湘洋中学校では、年間を通して様々な教育活動や行事が展開されます。1年生は例年5月に八ヶ岳で自然体験を行う2泊3日の体験教室に参加します。2年生では地域での職業体験学習が行われ、3年生は例年6月に京都・奈良方面へ2泊3日の修学旅行に出かけ、日本の歴史や文化に触れます。学校全体で盛り上がる三大行事は、5月の体育祭、9月の文化祭（湘風祭）、10月の合唱祭です。体育祭は学年を越えたブロック対抗で行われ、一致団結して競い合います。文化祭「湘風祭」では、生徒の日頃の学習成果や文化部の活動発表、展示などが行われ、創造性が発揮される場となります。合唱祭は市民会館を会場に開催され、クラスごとに歌声を響かせます。この他、生徒会によるあいさつ運動なども行われています。かつてはマラソン大会や餅つき大会、江ノ島での校外学習なども実施されていましたが、現在は行われていません。

生徒の自治活動も盛んに行われており、生徒会本部を中心に、学級委員会、専門委員会（美化、保健、体育、放送、新聞、緑化）、そして各種実行委員会が組織されています。生徒総会や全校評議会を通じて、生徒たちの意見が学校運営に反映される機会が設けられています。

部活動は、運動部と文化部が活動しています。運動部には陸上競技部、サッカー部、バレーボール部、剣道部、バスケットボール部、ソフトテニス部、バドミントン部、卓球部、ソフトボール部、軟式野球部があり、文化部には器楽部、科学部、華道部、演劇部、美術部、写真部、家庭科部があります。

校歌は1959年に制定され、作詞は勝承夫氏、作曲は平井康三郎氏によるものです。また、辻堂海岸が舞台とされる「浜辺の歌」も、地域に根ざした歌として「第2の校歌」のように親しまれています。

交通アクセスは、JR東海道線辻堂駅からバスを利用するのが一般的です。辻堂駅より江ノ電バス「鵠沼車庫前」行きに乗車し、「湘洋中学校前」バス停で下車後、徒歩約2分です。

本校からは、様々な分野で活躍する多くの著名人が輩出されています。歌手のちあきなおみ氏、俳優の高岡早紀氏や白石隼也氏、文化放送アナウンサーの扇一平氏、プロゴルファーの伊藤誠道氏、プロ野球選手の森山孔介氏、サッカー選手の鶴見聡貴氏、サーファーの都筑有夢路氏などが、湘洋中学校の卒業生として知られています。

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