辻堂東海岸

辻堂東海岸（つじどうひがしかいがん）

概要

辻堂東海岸は、神奈川県藤沢市の南部に位置する地域名です。現在の行政区分としては、住居表示が実施されており、北から順に一丁目から四丁目までが設定されています。

地理

藤沢市の南部、海岸部に広がるこの地域は、その南側が雄大な辻堂海岸に面し、東の境界を引地川が流れています。地域は北側を辻堂元町や辻堂太平台と接し、東は鵠沼海岸、そして西は辻堂西海岸に隣接しています。北から順に一丁目、二丁目、三丁目、四丁目と区分されています。

地価

住宅地としての地価は、近年では例えば2023年（令和5年）1月1日時点の公示地価において、特定の地点（辻堂東海岸1-14-19）で1平方メートルあたり23万5千円の水準となっています。

歴史

この地の歴史は古く、平安時代には伊勢神宮の荘園であった大庭御厨（おおばみくりや）の一部であったと伝えられています。平安時代中期の10世紀頃には、相模国高座郡の土甘郷（とかみ・となみごう）の一部として記録されています。その後、長治元年（1104年）頃に鎌倉景正によって大庭御厨が開拓されると、当地はその中に含まれるようになりました。鎌倉時代には、現在の辻堂や茅ヶ崎を含む広い範囲が「八的ヶ原（やまとがはら）」、やがて「八松ヶ原（やつまつがはら）」という広域地名で呼ばれていたことが分かっています。

また、童謡『浜辺の歌』の作詞者である林古渓が、当地の海岸風景を思い浮かべながら詞を紡いだとされる説も広く知られています。

沿革

近世・近代以降の変遷としては、明治6年（1873年）5月1日、神奈川県が区番組制を施行した際に辻堂村は第17区となり、小字や地番が定められました。明治11年（1878年）11月18日には郡区町村編制法により、行政区画としての高座郡辻堂村が編成され、当地はその一部となりました。明治22年（1889年）4月1日には町村制が施行され、辻堂村は大場村、羽鳥村、稲荷村と合併して神奈川県高座郡明治村の一部となります。さらに明治41年（1908年）4月1日には、明治村が藤沢大坂町および鵠沼村と合併し、藤沢町が誕生します。

昭和期に入り、昭和10年（1935年）8月24日には神奈川県道辻堂線（現在の神奈川県道308号辻堂停車場辻堂線の一部）が開通し、地域の交通利便性が向上しました。昭和15年（1940年）10月1日には藤沢町が市政を敷き、藤沢市となったことで、当地も藤沢市の一部となります。第二次世界大戦中の昭和19年（1944年）8月25日には、字浜見山に官立無線電信講習所の藤沢分教場（後の電気通信大学藤沢分校）が設置されました。終戦間もない昭和20年（1945年）5月8日には、辻堂国民学校（現在の藤沢市立辻堂小学校）が現在地に移転しました。

戦後、旧電気通信大学藤沢分校の校舎を利用して、昭和31年（1956年）4月1日には藤沢市立湘洋中学校が開校しています。昭和36年（1961年）5月29日には神奈川県道藤沢小和田線（現在の神奈川県道30号戸塚茅ヶ崎線の一部）が開通しました。そして現代につながる行政区画として、昭和42年（1967年）10月1日に現在の辻堂東海岸一丁目から四丁目までの地名が新設され、今日に至ります。

現代の状況

辻堂東海岸は現在、主に住宅地として利用されており、住居表示が実施されています。地域には、定期的に実施される国勢調査による人口や世帯数の推移、経済センサス調査による事業所数や従業員数の推移などが記録されています。また、地域の子どもたちが通う市立小・中学校の学区が定められています。

交通

地域の主な交通網としては、幹線道路として国道134号、神奈川県道30号戸塚茅ヶ崎線、神奈川県道308号辻堂停車場辻堂線が通っています。公共交通機関としては、神奈川中央交通および江ノ電バスによるバス路線が運行されており、藤沢駅や辻堂駅などを結ぶ複数の系統が利用できます。

施設

地域内には、藤沢市立辻堂小学校、藤沢市立湘洋中学校といった教育施設のほか、地域住民の交流拠点である藤沢市辻堂市民センターや、地域の治安を担う藤沢警察署浜見山交番などの公共施設が立地しています。

郵便

郵便に関しては、郵便番号は251-0045であり、集配業務は藤沢郵便局が行っています。

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