藤波季忠

藤波季忠（ふじなみ すえただ）は、江戸時代中期から後期にかけての公卿であり、神宮祭主を務めた人物です。

生涯

元文4年（1739年）、下冷泉家12代当主である冷泉宗家の次男として生まれました。寛延4年9月25日（1751年11月12日）、藤波和忠の養子となり、同年のうちに叙爵。翌宝暦2年2月24日（1752年4月8日）には14歳で元服し、昇殿を許されました。明和4年（1767年）には従三位となり、公卿に列せられています。

安永7年（1778年）には、祭主職を藤波寛忠に譲りました。伊子との間には実子の義道がいましたが、寛政11年（1799年）に菅原氏流地下家の若江家の養子となっています。養父である和忠に大中臣氏二門の男児が生まれたため、祭主職はその男児、すなわち寛忠に継承されることとなりました。このことから、季忠の祭主職就任は特例的なものであり、中継ぎとしての役割であったと考えられています。

天明7年12月2日（1788年1月9日）には、直衣を許されています。享和2年3月23日（1802年4月25日）には、妻である伊子に先立たれました。文化10年（1813年）に75歳で薨去しています。

官歴

時期不明：叙爵
明和4年（1767年）：従三位

系譜

父：冷泉宗家
母：清閑寺熈定の娘
兄弟：冷泉為晴、冷泉為栄
養父：藤波和忠
養母：牧野英成の娘
養兄弟：藤波駿麿、藤波寛忠
妻：藤波伊子
男子：若江公義 - 若江長公養子
養子：藤波寛忠 - 養父和忠の実子
女子：季子（梅小路） - 江戸城大奥上臈

藤波季忠は、公卿として、また神宮祭主として、江戸時代中期から後期にかけての社会において一定の役割を果たしました。彼の生涯は、当時の公家社会の複雑な人間関係や家督相続のあり方を反映していると言えるでしょう。

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