藤瀬史朗

藤瀬史朗とは

藤瀬史朗（ふじせ しろう、1953年7月2日 - ）は、大阪府茨木市出身の元プロ野球選手（外野手）です。現役時代は、その俊足を生かした代走のスペシャリストとして活躍し、ファンからは「近鉄特急」の愛称で親しまれました。

プロ入りまで

桜宮高校から大阪体育大学に進学し、硬式野球部に入部。阪神大学野球リーグでは2度の優勝を経験しましたが、関西六大学野球リーグへの昇格は果たせませんでした。当初はプロを目指すつもりはなく、教員免許取得を目標としていましたが、大学4年次に教員採用試験に不合格。その際、偶然見つけた近鉄バファローズの入団テスト募集広告に興味本位で応募したところ、一次テストの50m走で驚異的な速さを披露し、二次テストの結果を待たずしてドラフト外で入団が決まりました。

プロ野球選手として

1976年はファームで過ごしましたが、翌年、二軍で盗塁を量産していたところを西本幸雄監督に見出され、一軍に昇格。以降、代走の切り札として活躍しました。登録は外野手でしたが、出場機会のほとんどが代走であり、7年間の現役生活で117盗塁（成功率80.7％）を記録しました。そのうち、代走での盗塁は105を数え、2014年に鈴木尚広に抜かれるまで、プロ野球記録保持者でした。特に1979年は、27盗塁成功で盗塁死3という驚異的な成功率を誇り、チームの初優勝に大きく貢献しました。また、年間代走盗塁数25（1979年）、同一カード連続盗塁成功数33（対阪急戦）といった記録も保持しています。

1980年には、外野手として22試合に先発出場し、打率.241、3本塁打を記録。高校時代に内野手経験があったことから、二塁手や三塁手でのスタメン起用にも応えました。1979年の日本シリーズ第7戦、「江夏の21球」の場面では、羽田耕一の代走として出場。二盗を決め、相手捕手の悪送球を誘って三塁に進塁しましたが、スクイズ失敗で挟殺されています。

引退後

1984年に引退し、シーズン途中からファームの指導に携わりました。その後、11年間走塁コーチを務め、1988年の「10.19」では一塁ベースコーチとしてグラウンドに立ちました。1996年からは9年間フロント入りし、管理部次長、管理部長と順調に出世しましたが、2004年末の球団合併を機に退団。近鉄一筋を貫きました。退団後は、母校の大阪体育大学を運営する学校法人浪商学園の運動部強化センター部長に転身し、大阪体育大学硬式野球部のOB会長も務めています。

選手時代は、プロの厳しい練習についていくのに精一杯でレギュラー出場は叶わず、コーチとしては激闘を経験し、フロントでは球界再編問題に直面するなど、心身ともに疲れ果てていたことが、新球団での仕事を辞退した理由だと本人は語っています。

エピソード

現役時代は、その俊足と、親会社が近畿日本鉄道であることから、「近鉄特急」と呼ばれていました。藤瀬が代走で出場する際には、スタンドのファンが「Go! Go! 藤瀬!!」とエールを送るのがお約束でした。

1998年の「11月31日事件」では、近鉄球団の管理部で契約更改交渉担当者として、前川克彦と対峙しました。また、ハーマン・リベラが本塁打を打った際には、ホームベース前で出迎える藤瀬の頭をポンポンと叩くのが恒例でした。

詳細情報

年度別打撃成績

（省略）

代走成績

（省略）

記録

初出場：1977年7月5日、対日本ハムファイターズ後期1回戦（後楽園球場）
初盗塁：同上
初安打：1977年10月5日、対阪急ブレーブス後期12回戦（西京極球場）
初先発出場：1977年10月7日、対阪急ブレーブス前期13回戦（阪急西宮球場）
初打点：1979年9月3日、対日本ハムファイターズ後期10回戦（後楽園球場）
初本塁打：1980年6月22日、対日本ハムファイターズ前期13回戦（後楽園球場）

背番号

76 （1976年 - 1978年）
40 （1979年 - 1984年）
86 （1985年 - 1995年）

脚注

（省略）

関連項目

大阪府出身の人物一覧
大阪体育大学の人物一覧
大阪近鉄バファローズの選手一覧
* プロ野球28会

もう一度検索